宇宙デカトシヒコ!! 足りない男性要素 2
「え、全国ツアー!、いきたいいきたいいきたい~~~!!」
人生最後だと思っっていた小5の駄々っ子、まだ残弾が残っていたのかもしくはこの子は、大人まで続けるつもりなのか、これは大人がちゃんとしかって止めるべきではないか?俺以外の。おれはチエちゃんに嫌われたくない。
「チエちゃん、全国ツアーの全ツーというのは、簡単な事じゃないよ。お金もかかるから、節約しなきゃいけないし、車中泊だってしなきゃいけないときもある、会場に並ぶのだって大変だし、チエちゃんの身長だと、舞台上が全く見えないこともある。ちなみにそちらは、女性、と子供専用席が最近でき始めてるから心配はいらないかもしれないけど..」
「ろにーさん、ちょっと妙に詳しくない?それに全国ツアーに行くっていっただけでなんで全ツーが、デフォルトみたいになっちゃってんの?久しぶりにきもかわいいわね、気持ちはわかるけど.....」
「僕は、少しでもレナさんに貢献したくて、彼女関連のグッズを余らせるわけにはいかないんだ全部僕が買うんだ。」
僕は目がぐるぐるまわり、焦燥感の権化と化していた。
そういうチエちゃんも
「私もうちわは自作したし、大分握手券は手に入れたわ、ろにーさんの財布からくすねて...」
チエちゃんも目がぐるぐるまわっていた。
聞き逃せないことがあった気がするが、聞かなかったことにしよう。
トシヒコは当初の目的の友達を作ろう計画のことは、すっかり忘れていた。
今では松沢レナを布教しつつも同担拒否という支離滅裂な思考をもちまともじゃない状況であった。
そのとき「「ぴーこーぴーこー」」とスマホ型端末から音が出た。
なんだまた壊れたのかと、ちょっとたたいてみる。
そこからエリの声が聞こえた。
「仕事よっ!!」
ゆ・る・さ・ん(ギリっ)--------------------------------------------
事務所に降りていき、詳細な仕事内容を聞く
「今回の事件は在日宇宙人が原因ね、ずいぶん昔から地球移住権をもっていてずっと大人しくいい人たちだったんだけど、最近その中から誘拐組織が現れたの。しかもアイドル限定の誘拐、在日宇宙人の件はとても繊細な問題なの、宇宙デカが手をだしても外交問題に発展しかけない....ちょっと聞いてる?トシヒコ?」
ああ、聞いているとも.....魂が...俺の燃え盛る魂がこの事件を焼き尽くすとも
「ゆ・る・さ・ん (ギリっ)」
「エリ、ナノスキンスーツ制限解除、フル装備で誘拐犯のアジトに突撃だ!!」
「あんた、フル装備って棒とハンドガンしかもってないじゃない....。しかも今絞り込めてるやつらのアジトは福岡付近であることしかわかっていないの。」
「福岡か....それなら、チエちゃんとツアーを名古屋、大阪と回ってから、福岡にいけばちょうおどいいな、しかも同日にはアイドル関連の大イベントが福岡で行われる。誘拐組織もそこをねらってくるだろう」
「あんたにしては、いい読みね、なんか二つ普通にイベント楽しもうとしてるけど
チエちゃんと約束しているから仕方ないわね、ろにーさん」
「だれがろにーさんだ!!僕は、prediiiaしか見ていない大人好きのおにーさんだ!!」
「はいはい、わかりました。それじゃ、大阪の後いったん戻って、チエちゃんを家に返してから福岡に向かう感じね」
「ああ、そうなる、チエちゃんのこと、よろしくな」
「了解、ろにーさん」
よし、まずは、名古屋の準備だ。曲のフリ、あおりのタイミングをしっかり復習せねば。
名古屋、大阪ともに順調にすすみ、ヘドバンし過ぎたチエちゃんは、何かが燃え尽きたようにジヌニーの後部座席で寝ていた。もっともジヌニーの後部座席は、物資運搬用に改造していたため女の子が寝るのに十分なスペースがある。寝袋に入りながら、会場限定のタオルとグッズを抱きしめながら、今日のライブと握手会で話したことを思い出しながら、幸せそうな顔で寝ている。
改めてアイドルはいいものだ。
みんなに元気をくれる。
チエちゃんを地元に送りながらそんなことを考えていた。
「それじゃいってきまんもす」
「かっか」
なんかエリが、火打石を鳴らしていた。
なにかのテレビ番組にでも影響されたのか?
あと最近よく見ている「東〇特撮ヨウツベ Official」にでも影響されたのだろうか?
「まぁ、とりあえず福岡までは自動運転で、現在の誘拐組織の現状と、誘拐されたアイドル、今後狙われそうなアイドルを再確認しますか」
その中に「松沢レナ」の名前があった。
「ゆ・る・さ・ん (ギリっ)」
俺はハンドルを強く抱きしめた、自動運転だけど福岡の会場についた。
あたりを調査する。
アイドル達は、屈強なガードマンに守られていた。
その中には、傭兵集団として有名なミスリルの存在も見て取れた。
ECSで透明化したASがオゾン臭を放ちながら周囲をガードしていた。
ここまで、ガードが堅いとなると、犯行はライブ中のガードが難しいタイミングで犯行に及ぶ可能性が高い。
というわけで、ライブは普通に楽しむことにした。
はげしくヘドバンにより視線を悟らせないように周囲に目を配る。
そしてprediiiaの出番になった瞬間、僕の意識がレナさんにくぎ付けになった瞬間レナさん以外のメンバーがさらわれてしまった。
レナさんがオロオロしながら、なんで自分だけ誘拐されなかったのと半泣きになっていた。
「ゆ・る・さ・ん(ぎりっ)」(2重の意味で)
手のひらと、顔じゅうの穴という穴から血を垂れ流し、怒りが表出しつつ装備を着こむためにジヌニーに飛び込み、改造された荷台でメタルプレートをナノスキンスーツにくっつけて、戦闘準備完了。
「まずは、どうしようか」
誘拐候補のアイドルのリストで一番誘拐されるリスクが高いレナさんに握手会のたびに、体中に発信機をつけていたから、追跡は余裕だろうと思っていたのだが、レナさんはまだステージ上でオロオロしている。
一応ステージはまだ危険であるため、レナさんを宇宙デカとしてその場から素早く回収し、ジヌニーのなかに入れ、鎮静剤を打とうとしたところ目をぐるぐる回して気絶していた。ちょっと速く動きすぎたかもしれない
ちょうどいいので、そのまま、ジヌニーに載せて安全なところまで退避しろとジヌニーに命令をだした。
さてどうしようか、なんの手がかりもなくなってしまった。
一応「v1」も出撃させ、上空からの監視も行っている。
会場に戻ってみたが、場内は混乱していて特に進展がなかった。
いや、レナさんの真ん前にいた俺以外の前列の人たちがまるまる姿を消していた。
俺が前しか見ていなかったから気づかなかったのか同担拒否がこんなところで、裏目に出るなんて...
いやそういえば、チエちゃんが社交的に他のファンの人たちと名刺交換ごっこをやっていた気がする。
「エリ、チエちゃんと名刺交換ごっこした人間の中から在日宇宙人がいるかどうか確認してくれ」
「OK、5人ぐらい居たわ、とりあえず顔情報を送るわ、これは隠密行動が得意のセミガニ星人、宇宙忍者よ。ずいぶん前に地球に移住したようね。当時アンノウンに全滅させられたという記録も残っているけど、生き残りが在日権を取得して、細々と暮らしていたみたいね。宇宙忍者という通り隠密行動が得意なようね。これを見つけ出すのは骨よ」
「わかった、できるだけ遠くに行かないうちに見つけ出す」
しかし顔写真だけでしかない状態で、隠密行動が得意な集団を見つけられるものなのか....すでにお手上げ状態だ。
「ん、あんなところに火事場泥棒が、prediiiaのボーカルの「あおいさん」の他人が撮影した個別写真を集めまくっている集団がいる。」
するとモニターに反応があった、該当の5人でることをコンピューターが確認したようだ。
その周囲にもセミガニ星人と思われる、集団がいる
しかし見つかったと悟らせてしまえば、すぐに逃げられてしまう。
ということで隠密には隠密だ。
幸い、会場は混乱状態だ。
武装としてはギリギリスタンガンを選択したいがあれはピカピカ光るから、一人につかったら他のメンバーに逃げられてしまう。
ここはあの手で行こう。
そして俺は、メタルプレートを全部外し、股間が少しもっこりした変態黒タイツ姿になっていた。
夜のライブ会場なので、足元を這えば、黒タイツ人間など早々見つかるものではない。
そして、対象に近づき
「ぐぃっ」
意識を落とした。
まず一人目だ。
他のセミガニ星人たちは、我欲の塊と化していたので仲間が減ったことに気づいていないようだ。
今は新たな見つけたアイドルの撮影に命を懸けている人のカバンを見つけ中身を漁っていた。
3~5人と落としていき、最後に人のカバンを漁っている集団が最後になった。
ここまできたら遠慮はいらない、全員げんこつで落とした。
どうやら、セミガニ星人は、アイドルの尊さに最近目覚め、きれいなものはそのままとっておこうと、小型化させて、休眠させていたようだ。
犯人のセミガニ星人を「v1」の中にある電磁式牢屋の中に放っておき被害にあったアイドルたちを元に戻し、記憶を一部消し誘拐されたことだけを事実と残してライブ会場に全員解放しておいた。
そして、黒タイツのまま、ジヌニーに戻った。
その中には、チエちゃんと談笑しているレナさんの姿があった。
ち、チエちゃん...なんで...?
「あ、おかえり、ろにーちゃん」
「あ、この人が私を助けてくれた、ろにーちゃん?」
アイドルとは、全身黒タイツの不審者ですら邪険に扱わないのだろうか?
天使すぎる。
「あ、ごめんなさい、覚えています、ろにーさん、最後までいつも並んでくれたよね」
「あ、え、覚えていただいていて光栄です。」
「少しドライブしませんか」
「えっ!?」
こうして黒タイツの変態とアイドルのドライブが始まった
「私、実はもうやめようと思っていたんです。年齢も年齢ですし人気も落ち目だったので」
「そうなんですか...」
ここで無責任に続けて欲しいということは簡単だ、しかしアイドルとしての寿命は短い。
人生は長い、レナさんは第二の人生に進もうとしてる時期なんだろう。
「最後にたくさん並んでくれてありがとう、なんか、おろおろしながら、何回も並んでくれるろにーさんを見てたら、ちょっと笑っちゃた。さて、次はなにしようかなぁ、この業界転職が難しいのよね」
「それなら、いい考えがあるわ!!」
空気を読んで寝たふりをしていたチエちゃんが元気よく起き上がって急に叫び出した
「あら、また来てくれはったんろにーさん」
「ええ、毎日でも来たいですね、お金が続く限り」
「わぁありがとう今日もいっぱい飲んでいってね」
「すっかりろにーさんをとられてしもうたわ、やけるわーレナさん」
「ろにーさんの他の人は、梅さん目当てのお客さんなんですから我慢してください」
「おーこわいこわい、いつ飼い犬に手を噛まれるかこわいわー」
「もー、うめさんは」
レナさんは、一人で切り盛りするのに限界を感じていた梅さんのお店に就職した。
昔からのレナさんファンも通うようになり、ファンの憩いの場にもなっている。
こうして、2枚看板になった梅さんのお店は、さらに忙しくなったのだ。
「ふぇっくし、今日もカウンターで、ねちゃったか、ん?」
その手元には、30万円税抜きと書かれた請求書が置いてあった。
秘密を手にした女チエ--------------------------------
「ふーん、ろにーさん実は仕事してたんだー。」
そこには机の上に足を組んで座る邪悪な顔をした美少女チエ。
そして土下座するブリーフしか履いていない青年トシヒコ。
「ふーん、現地人に宇宙デカだとバレた場合、現地人の記憶を消して自身には50年間のブートキャンプを課す、しかしバレた対象が18歳未満の場合は脳に悪影響がある可能性があるため記憶消去はおこなわない。そのかわりに現地人が満足するような代償をはらい、口外しないことを約束すること」
「なるほどねぇ、ブートキャンプに行こうが行くまいが、私には絶対服従というわけね。ばしぃぃっ!!」
なんで鞭持ってるのこの子
「あの、なんでもいう事聞きますので、どうかブートキャンプだけはブートキャンプだけは許してください。いろいろ擦り切れちゃうすりきれちゃうからぁ」
そして、少し顔を上げたら、八重歯がキバと化した小悪魔がそこにいた。
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