山奥で見たモノ
黒部峡谷鉄道は宇奈月温泉と欅平を結ぶトロッコ列車が有名です。
もとは電源開発のために建設された路線で、今も資材や車両に作業員を運搬し続けています。
欅平から奥は上部軌道とよばれ、関西電力社員や峡谷鉄道社員など限られた人だけが入る事が許されます。
そこに仕事で入った人から聞いた話です。
一日の作業を終えた峡谷鉄道社員達は、宇奈月温泉駅に戻る列車に乗り込みました。
大自然のなかを下り始めたトロッコ列車で、「熊だ!」1人の作業員が車外を指差して叫びました。
離れた場所の木々の間に座る、大きな背中が見えたそうです。
別の社員が通信機を手に取り、今出発してきた場所にある事務所に熊の出没を連絡したそうです。
皆が見守るなか熊は動かず、何事も無く列車は遠ざかっていきました。
しばらくすると事務所から連絡が入り、皆驚いたそうです。
事務所に駐在する社員が好奇心と勇気を振り絞って目撃地点の偵察に出向いて、恐る恐る確認すると、熊と見間違うほどの大猿が座り込んでいたのだと。
線路にニホンカモシカ・猿・熊と野生動物は出現するそうですが、「あんなに大きな猿を見た事は無い。山というのは恐ろしいところだ」と彼は締め括りました。
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