第3話

「さあ、フローリア行こうか」

マノンがフローリアに手を差し出した。

「行こうって、どこに」

フローリアの顔は恐怖で強張っている。

「わが異世界第二帝国だ」

「異世界第二帝国、そこにカインがいるのね」

「オマエのかっての恋人カインは国家反逆罪で

投獄してある。いかなオマエの超能力でも

容易には破れまい。檻は特殊超合金LSU27で

しっかり囲ってあるからな」

 マノンがクルミをカチカチと鳴らして

不敵に微笑んだ。

 マノンの眼がギラリと凄みを増した。

「わたしの超能力ってなに?」

フローリアが素直にマノンに問い質した。

「知らんのか?それは好都合だ。オイ」

マノンが顎をしゃくると近衛兵たちが

フローリアの両腕を抱え上げた。

「離して、離して」

「悪子思うなよ、フローリア。わが無敵の

異世界第二帝国を破壊できる能力の

あるのは宇宙中でおまえだけだ。

危険な芽は早く摘んでおくにかぎるからな、

クックックッ」

マノンがマスクの中の両目をギラつかせて

忍び笑いをした。

 そのときだった。

フローリアが突然、消えたのだ。

「しまった、覚醒したか⁈」

マノンに狼狽の色が見えた。

「探せ、探せ。見つからなければおまえたちの

首を刎ねるぞ。いいな」

マノンが必死で辺りを見回した。

 

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