第21話 最強のくの一との出会い
第21話 最強のくの一との出会い
初めての狩りは、午後からの毛利の兵からの要請による見回りを考慮して、午前の狩りの分は税が免除となった。そのことで乞食達に十分な食料を渡せたが、伊織ら三人の要望もあり翌日も狩りの日となった。
翌日の狩りもメンバーは同じで伊織と牛若丸が弓で遠距離からの攻撃と牽制、龍馬が潜伏して近接で仕留める。そして乞食達が下働き、鬼一が引率といった形だ。
狩りの成果は魔獣の鹿が二匹、魔獣の兎が8匹、襲ってきたゴブリンが4匹、コボルトが4匹を狩り、狩りは終了した。成果はまずまずといったところしいが、始めての狩りにしては、危なげなく連携もとれていて高評価だと鬼一からの評価も頂いた。
そして2日訓練をして1日狩りを繰り返した10日後の朝その女は現れた。
ガラッ
早朝。起きて寝室にて呪力操作の訓練をしていた伊織の部屋に青色の髪、青色の瞳をした若い女が入ってきて伊織を見つめる。
「なんじゃ?お主は?」
伊織は急に部屋に入ってきて見つめるだけの若い女に声をかけた。
「妾は巴。お主何だ?魔物か?」
巴は伊織を見つめたまま訪ねる。
「巴?大和の人間か?南蛮のおなごかと思ったが。それで魔物だと?失礼なおなごじゃ。わしは人間じゃぞ。」
「妾の髪と瞳は精霊に愛された証拠。お主嘘をつくな。気力の無い人間などおるか。そんなに呪力の多い人間も見たこと無い。」
「精霊? 嘘などついておらんわ。生まれつき気力が無い代わりに呪力に恵まれておるんじゃ。」
「そんな人間おるのか?しかし精霊達は魔物を嫌う。この部屋に集まり近づいてる様子から魔物で無いのか?」
巴は伊織にしゃべりかけるでもなく1人呟き考えこむ。
「精霊?さっきからいっておる精霊とはなんじゃ?」
伊織が巴に質問した時部屋に足音が近づいてきた。
「いーくんおはよう。」
「伊織朝飯だぞー!」
牛若丸と龍馬が部屋にきた。
「2人とも朝から変なおなごに絡まれておるんじゃが。」
伊織が2人に話す。
「巴さん!?」
「ゲッ!巴ねーちゃん!?」
2人は驚愕して巴の方を見る。
「2人ともただいま。部屋に曲者がおったぞ。おい。お主。妾と決闘せい。戦えば魔物か魔物じゃないかわかる。」
巴はニヤリと笑い伊織にいい放つ。
「「「は?」」」
☆☆☆☆
「何で朝から巴と伊織殿が決闘する事になっているんですか?」
審判役に駆り出された弁慶が2人を呆れた目で見ながら訪ねる。
「朝、瞑想しておったらこのおなごが急に入ってきて魔物だといちゃもんをつけおったのだ。わしもホトホト困っておる。」
伊織は笑顔で弁慶に返す
「伊織殿、困ってる人間はそんな笑顔でニヤつきませんよ。」
弁慶は呆れた顔で伊織を見る。
「何やら詳しく聞けば最年少で上忍となり実力だけなら最強格の実力らしいからの。手合わせ楽しみになったわ。」
伊織はウキウキしながら木刀を選ぶ。
「はぁ………巴よお主鳥取にゴブリンリーダーの討伐に行ったんじゃろう。どうなったんじゃ?」
「もう倒した。弁慶隊長に報告する為に他の2人より先に帰ってきた。」
「じゃあ決闘より前に報告に来い。それと一緒に戻ってこい。チームで行かせてる意味がない。」
「大丈夫。ゴブリンとの戦いは協力した。2人に雑魚を任せて妾がホブゴブリンとゴブリンリーダーを倒した。」
「それは協力したと言えんだろう………はぁまあよい決闘に気持ちがいって話しなど聞いておらんじゃろう。説教はまた後じゃ。」
2人は準備し向かい合う。
「それでは、2人とも致命傷は無しじゃ。あくまで訓練の延長として戦うように。」
「あぁ」
「えぇ」
「それでは、はじめっ!!」
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