第4話武士と忍者
毛利元就からの召喚を受けた弁慶は、広島城に着くと、立派な鎧に身を包んだ男たちに迎えられた。その中で彼の存在感は一際異彩を放っていた。
「小早川殿ですね、当主毛利元就の三男毛利隆景と申します。謁見の間までご案内致します。」
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~広島城 毛利元就居城~
「表を上げよ、小早川よ。」
「はっ。お館様に置かれましてはご機嫌麗しゅうございます。」
「うむ。そちも大層活躍しておるようじゃの。」元就の穏やかな声には、確かな威圧感があった。「中国地方を統一した際に献上してもらったゴーレムの変異種、ゴールドゴーレムの素材は鎧にさせてもらった。ワシには少し派手じゃから次男の元春に着させておる。」
「おう!小早川はの!これは非常にいいぞ。そこらの武士の腕では傷一つかぬ。何より派手で目立つ。ガハハハ」と次男の元春が笑う。
「はっ。お気に召して頂けたのなら何よりでございます。」弁慶は頭を垂れた。
「何でも、地元の黄金山で発生したゴーレムとの事だの。お主を中心に小早川の人間が討伐したとか。」
「はい。運良く討伐できましたので。お祝いの品として献上させてもらいました。」
「運良くのぉ…鎧を造った鍛冶屋が言うには5等級の素材だと言っておった。それは武士が討伐するには初段以上の達人クラスと言われる者か、または上級武士10人は必要な数字なんじゃがな。」元就は疑念を込めた視線を弁慶に向けた。
「我々は長年魔物素材屋を営んでおりますので、魔物に対しては優位性があります。とてもとても上級武士の力はありませぬ。」弁慶は冷静に答えた。
「まあ良いわ。どうじゃ、毛利に士官して武士にならぬか? お前さんのとこの従業員8人と見習い2人も同じように受け入れる。悪い話ではなかろう?」
「有難い話でございます。しかし、私たちには荷が重くございます。それに私たちは小早川に拾われた身です。このまお店に御恩をお返ししたく思います。」弁慶の言葉には固い決意が含まれていた。
「そうか。では最後に、東北地方 片倉屋 関東地方 風魔屋 中部地方 真田屋 近畿地方 服部屋 九州地方 立花屋 これに関して何か知っておるか?」元就の目が鋭く光った。
「…取り引きのある魔物素材屋にございます。」弁慶は慎重に答えた。
「ふっ、そうか。下がってよいぞ。今後とも期待しておる。励め。」
「はっ。有難うございます。失礼します。」弁慶は深々と礼をし、広間から退出した。
城から出た弁慶をお供の権兵衛が待っていた。
「隊長どうだったんで??」
「どうやら各地の支部の場所がバレてるようだ。」
「マジですかい!? ここ一年程嗅ぎまわられてると思ってましたが。そこまで把握されてるんで!?」権兵衛は驚愕する
「毛利家は九州地方を統一した島津程武力は無いにしても、情報を屈指してここ中国地方を統一したれっきとした大大名だ。織田の魔道具も独自で解析、複製をして実用段階にあるとの噂もあるしな。」
「さすが、大大名ってとこですかい。すると中国地方の支部は移動か潰しますか??」
「いや、今のところ争うつもりはないようだ。下手に移動して刺激するのも良くない。権兵衛は里に戻り長に報告してくれ。」
「了解でさ。」
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