第3話「意味」
感情を失って小学校6年間をなんとか過ごしきり
ついに中学生に
たぶん一番感情の振れ幅が大きい時期なんじゃないでしょうか
色んなことの意味や理由について疑問を持ち始めた中学時代
まずは入学してすぐのお話。
まず、決めないといけない事の一つに
「部活」がでてきました。困りますよね
帰宅部が良かったですがきっと中学で必ず部に所属しないといけない
のは住んでいるところが田舎だから・・・ではないと信じてます。
小学生の時に嫌々やらされていた野球
各地区のエースや4番の人はもちろん
基本男子は野球。しかも小学生でやってた人で野球部にはいらないなんて
ありえない。そう言われていました。
もちろん先輩たちが誘いに来ますよね。「おまえOO学校の4番だろ?今日見学においでよ!」そんな感じで勧誘にきました。
でも、もう野球は絶対にしたくないと思っていました。
小学4年から6年まで続けた野球。怒られないために努力して上手くなったけど
自分を守るため。それに親が野球をしていたからこそ
下手なことをするとバレて怒られてしまう。だったらいっそ
親がやったことないことをすれ試合とかも見に来ないし
下手なのもバレないのではないかと思い
野球部の先輩たちに目をつけられながらも断り
ほかの部活を探していたところ
皆といっしょが嫌だったから髪の毛が少し長めでした。
みんなスポーツをする=スポーツ刈
みんな同じ髪型でしかも強制
ぜったいに嫌だ!っと思っていたら
とある3年生の人が髪が長めだったのでついていくと
体育館裏に小さな道場があり
そこで柔道部と剣道部の人たちが練習をしていました。
その髪の長い先輩は剣道部でついてきた後輩を見て
「見学?よかったら見てってよ」そう優しく言ってくれました。
「あの、先輩は髪切れとか言われないんですか?」
まず、聞くことそれなの?って感じですが
一番大事でした。すると先輩は笑いながら
「剣道部は特にそんな決まりないよ。それに個人競技だから
強ければな~んにも言われないし」そう笑って答えてくれた先輩が
すごくかっこよく見え
心は8割剣道部イイな・・・になっていました。
のこり2割はなんだったのか?それわ野球部に入らないことを
親や先輩に責められないかの不安でした。
でも、ここで挫けたら小学生時代と何も変わらない
だからこそがんばって言おうと決心し
親に「剣道部に入りたい」そう伝えると
「なにそれ?野球は?別にいいけどなんで?」
まぁそうなりますよね
「野球はがんばってチームでは1番になったから他の事したい。
色々みたら剣道がかっこよかった。」
そこまでいわれてさすがに親もダメとは言えず
「別にいいんじゃない?」とサインをくれました。
そうして野球からやっと逃げ切ることができてあたらしく剣道を
始めることになりました。しかしその選択は野球部に広まり
4番がいままで野球に入らなかったことなんてどこのチームも無い
どうにかしてあいつを野球部に勧誘する。
そういう流れができてしまい同級生たちが説得に来ます。
しかもほとんどの男子が野球部で
クラスの中でも大半を占めており
よくあるクラスでのカーストのトップのほとんどを野球部が占めていた中で
野球はしたくないと断り続けると何が起こるか
そこまで酷いことはされはしなかったですが基本無視みたいなとこまで
はいってましたね。
でも、別に友達と楽しく学校生活みたいなものに憧れも特になかったので
害がないならそれでいいくらいに思ってました。
剣道の練習は案外キツく先生がとっても強く厳しい人だったこともあり
かなりのキツさでした。でも、自分で選んだことだし
先生も野球部に目をつけられていることもしっていたし
髪を切りたくないことも知っていたからなのか
「もっと強くなれ。そしたら誰もお前に文句言わん」
よくそう言われていました。
でも、たしかにそうかもしれないと思い
どんなに辛い練習も頑張り1年の時に2年の先輩たちをほとんど倒し
2年で一番強い先輩といい勝負くらいまで成長し
そうすると2年の先輩たちにも
「おまえ強いな!つぎは負けんぞ!」と言ってもらえるようになり
2年で一番強かった先輩も
「いいじゃん。あいつらの刺激にもなるし俺もむしろ負けれないから
練習気合入るわ!」とよく言ってくれました。
そんな中、野球部の先輩たちは
裏切り者が許せるはずもなく移動教室ですれ違うと
足をかけたり通りすがりに振り返って背中を殴ってきたり突き飛ばしたり
それをしった剣道部の先輩がなんどか助けてくれたり
そんな1年生を過ごしているとついに
漫画のような出来事が起きます。
ついに体育館裏への「呼び出し」を受けたのです。
初めは内心はぃはぃと思いながら
わかりましたと言いつつ無視していたら
ついには腕を掴まれ体育館裏へ連行されてしまい
そこには野球部の3年生が5人
しかも3人はバットまで持っていました。
これはさすがに死んだか・・・そんな事を思いながらも
「野球部にも入らない。髪は切らない。調子に乗るのも大概にしろ」
そんな文句を延々と言われ
何されるんだろうと思っていると
そう体育館裏には剣道場があるんです。竹刀を持って来ることができれば
勝てるの?そんな事を思っていると剣道部の顧問の先生がやってきました。
しかも全校生徒が恐れる学校で一番怖い先生なのです。
「おぃ、なにやっとんじゃ」そう一言放つと
先輩たちが「いや・・・こいつが!」ビビリながら言おうとすると
「ん?喧嘩か。それにバットまで持ち出してアホか。そいつ剣道部やぞ?
まっとれ今、竹刀持ってきてやる。1年で一番強いお前ならそんな球しか打てん
バカには負けんじゃろ?」そう言いました。
すると先輩たちがヒソヒソ話し出します。
先生が「おまえらぜったいにそこから動くなよ?竹刀もってくるわ
あ~でも金属バットなんやったら木刀のほうがいいか。ぜったい逃げんなよ?」
そう言って先生が背を向け歩き出した時
野球部の先輩たちは必死に走って逃げて行きました。
そして戻って来た先生が「アホやな~野球部がバット持ったくらいで剣道部に勝てるわけないだろ」そういって木刀を渡し
「練習行くぞ。もー皆来とる。なんなら遅刻じゃ。ちゃんと謝れよ。」と
頭をぽんっと触り、あの一番怖い先生が笑っていました。
剣道部の人たちもずっと目をつけられていたことを知っていたからなのか
「大丈夫だった?」「なんもされてないか?」「やり返し行くぞ!」そう
励ましてくれてその後一切野球部は文句を言ってこなくなりました。
それに一生この先生と先輩達について行こう
そう決心しました。
野球部からの色々もなくなり平和な学校生活になり
3年生たちがもうすぐ卒業そんな時期
まさかの剣道部の顧問の先生が違う中学へ行く事が決まってしまいました。
それをしっていままで保たれていた何かが
プツンっときれるような感覚。
2年になると頑張ってた剣道も皆に勝てるようになり
なんとなく寂しさを覚え熱もあまり入らなくなり
あたらしく顧問になった先生は剣道未経験者
「とりあえず今までやってた練習やってて」
そのレベルでした。
そしてある日唐突に考えるようになりました。
「何をしに学校に行ってるんだろ」
毎日朝早く起き学校に行く支度をする。同じバスに乗り同じ席に座る
学校について席に着く。なんの意味があるのかわからない授業をひたすら聴き続け
夕方になると毎日同じ練習をして時間になったらバスに乗って帰る。
お風呂に入りご飯を食べ宿題をして寝て
目覚ましで起きてまた学校へ
そんな1日の繰り返しに少し疑問を持つようになりました。
「なにが楽しいんだろ」なにも無いつまらない1日の時間をただただ
そこにいて消化するだけ学校って行く意味あるの?
なんのために行ってるの?なんで行かなきゃいけないんだろ
そう思うようになってまた一つ
自分の中から何かが消える
そんな感じがしました。
そのころから精神的に暗くなっていき
親ともほぼ会話もなく学校では聞かれたことを
愛想よく答えるだけ
そこに感情や思いはなく
悪く思われないようにするために
愛嬌だけ相手に返していました。
そしてついには「なにが楽しくて生きてるんだろ」
「そもそも何のために生まれてきたんだろ」
「なにをするために今存在してるんだろ」
「生まれてきた意味ってなんだろ」
生きていることに疑問を持つようになりました。
そこで思い出すのはいつもおじいちゃんの事
まだ、生きていてくれたら
もっと心から笑ってる時間があったのかもしれない
幸せな人生だって思ってたのかもしれない
そう思うと生きていることが
少し嫌になっていきました。
つまらない毎日に中身のない会話と意味のない時間
作業のように繰り返すだけの無駄な1日の時間
その1日に楽しさも嬉しさもなく
あるのは苦しいや辛いの負の感情ばかり
そんな嫌な事だらけの1日をなんの意味もなく過ごしているだけなら
別に生きてなくていいんじゃないか?そう思うようになっていきました。
死んでしまっても別に後悔は無いし
明日もまたおんなじ無駄な辛い時間を過ごすだけなら
いっそ死んじゃったほうが楽かもしれない。
そう思っても増えていくのはちょっとした
皮膚にできる傷跡だけ。深い傷を心に残して
毎日毎日心が弱いから逃げることすらもできない
自分はなんて弱い人間なんだ
そう思う毎日
死ぬ事すらできない自分に嫌気がする
なんて情けない人間なんだろう
何のために生きてて何をするために生まれてきたんだろ
だれにも相談することもできない
そもそもなんで死ねない?怖い?心残り?痛い?
でも、傷は付けれるし死にたい気持ちはある
なのにどうして・・・
情けない。辛い。面白くない。
生きてる意味ってなんなんだろ
そんな答えがあるのかわからない問題に毎日悩まされ
日に日に暗い人間へとなっていきました。
家でも基本会話はない。親の出す小さな音すら嫌で
声が聞こえるだけで嫌でずっとイヤホンをして生活したり
学校でもこっそりイヤホンでわまりの音をすこしでも小さくする
自分の中に閉じこもりなにも無い無駄な時間をすごし
そんな時にちょっとした興味から
不思議な出会いがあり
辛いことに変わりはないけど
面白くなかった世界に
楽しいを教えてくれる出来事が起きました。
ひとりの長男のお話 ただのうに @Uni73
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