転生したら11番目の勇者だった~先に転生した10人のチート級の悪徳勇者たちに全て奪われたので歴代最強の魔王娘や仲間たちと共に世界を取り戻す~
【10番目の悪徳勇者編<第3章:2/2>♡ブリジットの視点♡】「本気で許さない!」絵師を侮辱され、推し活をバカにしたエリクを最強魔法で制裁する!
【10番目の悪徳勇者編<第3章:2/2>♡ブリジットの視点♡】「本気で許さない!」絵師を侮辱され、推し活をバカにしたエリクを最強魔法で制裁する!
「その発言を取り消せよ! 推し活は心の避難所なんだよ!」
「……それで?」
「わからないの? みんな生きることに疲れているんだよ! 絵師はただ絵を描くだけじゃない。みんなの疲れた心に癒しをお届けする誇り高き職業なんだ! みんなの気持ちを踏みにじるなんて許さない……。バカにするのも大概にしろ!」
だが、エリクは反省の色が見えず「ダークメイジは偉大だ」と言って生意気に杖を掲げた。
杖の周辺に浮かび上がる黒い紋章が禍々しく光る。
「
エリクの周囲を渦巻く黒煙。それがやがて一匹の巨大なドラゴンへと形を変える。
「
これは天魔級魔法。黒煙が自ら意志を持ち、術者の要望に応える黒魔術。
ならばこちらは聖魔級でいくか。
私はすぐに杖を掲げ、呪文を唱える。
「
詠唱と共に私を中心に超巨大な幾何学模様の術式が現われる。
「
術式はいわば空間転送儀式。
使用者が魔法を扱うために必要なのは魔力と術を連携させること。
万物すべての力を魔法で変換しそれを形にする。
強い魔法を生み出すには相当な魔力が必要だ。
「14歳の少女がこんな魔法を……」
「言ったでしょ。私はゴッドウィザードだって」
幾何学模様の術式から芽が生えてきた。
すぐに木々になり、枝から葉を生やしていく。
闘技場より遙かに高い。
樹齢10000年以上の超大木ができあがった。
幹の直径は10メートル。周りをグルッと回るだけでも30メートル以上もある。
「これが霊木……しかも聖魔級だと?」
「天才ですから」
「だが相性が悪い。燃やしてくれる!」
ダークドラゴンの吐く黒い炎が霊木を包み込む。
霊木は大量の枝を傘に変形させた。
炎を包み込み、ゆっくりと吸収していく。
「なんだと……?」
「属性の相性だけで戦えば良いってもんじゃないよ。火があるからこそ種子がまかれて成長する。それが霊木。魔力消耗が相当激しいと思うんだけど?」
エリクは「まだまだ」とつぶやき、「
熱い煙が私の視界を覆い隠す。
「灰となって散れ」
「レイちゃん。やっちゃって~」
「!?」
かっこつけて私を殺そうとしたつもりだったのだろう。
その前にレイちゃんは枝葉を伸ばして私の体を囲んだ。
「なに……!?」
火砕流を吸収することで葉っぱがどんどん大きくなっていった。
「霊木翠蓋は精霊を宿した木。魔力を吸収して自身の力に変えるんだよ」
あと10秒唱えるのが遅かったら死んでた。
それだけ火砕流は厄介なのだ。
マグマよりマシだけど、最大100メートルまで広がる高温の煙は生身の人間が対抗できるはずがない。
直接触れなくても飛び散った灰だけで皮膚がやけどするし、まともに喰らえば血肉を溶かし、骨を焦がすだろう。
会場内にいる人たちを巻き込もうとした時点で相当イカれてる。
「レイちゃんは【属性殺し】の異名を持つ」
「だから何だと言うのだ! ダークドラゴン! 黒煙を吐け!」
「レイちゃん。
無数の枝が大量に発生し、ダークドラゴンを縛り付ける。
ダークドラゴンは枝に絡め取られていく。
やがて樹木を赤く染め上げた。
「嘘だろ……俺の……切り札が……」
「樹木の偉大さだよね。漫画やラノベも木がなければ生まれなかった。紙は木から作られるからさ。大切に資源を使わせていただきます」
フェイさんを見つめた。
「ところで独身で陰湿な非モテ男子のエリクさんに質問なんだけど」
私は笑顔になる。
「レイちゃんと結婚してみる?」
「は?」
「霊木翠蓋の最大の特徴は【人食い】だからね。攻めは最大の防御。血肉を求めて今宵も精霊たちは綺麗な棘と花を咲かせ続ける」
「……チートだろその能力……卑怯者が!」
「あんたが言うな。バーカ。フェイさんを傷つけた罰だよ。それに絵師と推し活を侮辱したんだ。あの世でじっくりと反省しなさい」
「た、たすけ……」
ツタがエリクをつかみ取る。
巨大な花が口を大きく開き、彼を呑み込んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます