第5話「ハロウィンとお隣さん」
10月も終わりかけになってきた。10月も終わりかけになるとだいぶ寒いものだ。そして、10月最後の日にあるイベントの話だ。正直僕は一ノ瀬さんと出会わなければこのイベントを満喫することはなかっただろう。
ある日の朝、僕が目を覚ますといつものように朝食を作っている一ノ瀬さんの姿があった。何気ないいつもの朝に思えるかもしれない。だが違和感を感じた。それはなぜか? 俺はインターホンで起きていない。つまり、一ノ瀬さんは俺が鍵を開けなくても入れている。そんな事を考えていると
「おはよう、今朝食の準備してるから先に顔洗ってきて」
「おはようございます。もう少しだけ寝かせてください。」
「だめだよ。」
「あと5分だけ」
「それ絶対起きないやつ」
「起きろ」
と言って一ノ瀬さんは俺から布団を奪い取った。
そこで目が覚めて僕は顔を洗いに行った。
僕が顔を洗っているうちに朝食が出来上がっていた。
そこで疑問に思っていたことを聞いてみた。
「今日僕部屋の鍵開けたままでしたか?」
「あーそれね。青星ちゃんに合い鍵貰ったの」
「え?」
僕は鍵の入っているところを確認した。すると1個無くなっていた。
「ところでさ、10月31日って予定ある?」
「露骨に話そらした」
「まあまあいいじゃん、で予定あるの?無いの?」
「まぁ、予定は無いですけど」
「私の部屋でハロウィンパーティーしない?」
「ハロウィンパーティー?」
「そう、ハロウィンパーティー青星ちゃんと話していてね、一緒に遊びたいって、それならハロウィンパーティーするという案がでました」
「いつの間に?そんな予定を?」
「青星ちゃんとチャットアプリを交換したんだ。あとイネスタも」
そう言って一ノ瀬さんは朝食を急いで食べて会社に向かっていった。
次の週の土曜日に部屋の飾りつけをすることになった。一ノ瀬さんの部屋でだ。
僕は
「僕の部屋じゃなくていいの?」
と聞いた。すると
「だって君の部屋だとゴミとか捨てずにたまっていきそうだもん。」
と言われてしまって返す言葉が無かった。
準備の日を迎えた。姉さんはバイトがあるとのことで途中参加だ。
僕は一ノ瀬さんと毎日会話しているが一ノ瀬さんの部屋のインターホンを鳴らすのは初めてだった。少し緊張しながら僕は一ノ瀬さんの部屋のインターホンを鳴らした。すると
「はーい」
と言っていつもの一ノ瀬さんが出てきたので緊張も一気にやわらいでいった。
「どう?」
いきなり聞かれた。
「どう? とは?」
「だから綺麗なお姉さんの部屋に入った感想?」
僕はすぐには何も言えなかった。たが僕の部屋や姉さんの部屋とは全く違うことを感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます