第19話

マオ「ガージィ!」思わず声を張り上げガージィの方に駆け寄る


ガージィ「珍しいお人もおるようで授業も出ないでどうしたんだい?」


マオ「実は…宇留鷲さんがどうしてもここで逢引きしたいと」僕は断ったんですけど…とわざとらしく顔を隠し泣きまねをする


会長様(予定)「なぁっ???!!!何を言っている貴様は! 」


マオ「冗談じゃないですかw何をそんなに動揺しているんですかww」口元を手で押さえクスクスと笑う「宇留鷲さんが僕を相手にするはずないじゃないですかwね?」同意を求めるも中々返事が返ってこないのを不思議に思い首を傾げる


ガージィ「まぁなんだ、お前さん達何か事情や話し合いたい事があるのであろう、ほれマオ!あそこに行ってはどうだ?」結構片付いたのだろう?と提案したガージィの提案に頷く


すかさず会長様(予定)の手を取り引っ張り出し走り出す

マオ「行きましょう」ニッコリと微笑み真っ直ぐ前へ向き直る「いいもの見せてあげます!」


会長様(予定)「どこへ連れてゆくきだ!」まさか引っ張りだされるとは思ってもみなかったのかスタートダッシュを謝りコケそうになりながらも僕に付いていく


ものの数分で目的地に辿り着き、会長様(予定)はその場所を見て目を丸くした後こちらに顔を向けどういう事だと表情だけで物語っている、そんな彼に頑張ってるんですよと微笑む


マオ「入りましょ、中もだいぶ片付いたんですよ!」ポケットにしまってあった鍵を引っ張り出しガーデンハウスの扉を開ける


会長様(予定)「此処のかぎは誰から?…」不思議そうに僕の手元にある鍵を指さす


マオ「ガージィから此処の掃除をする代わりに預かっていいと言われました」僕は鍵を胸元にギュッとつかみ見つめる


会長様(予定)「そうか、すまないな此処は大切な場所なんだ綺麗にしてくれて感謝をする、鍵もずっと探していたんだ」



そう言って手を僕の方に差し伸べる






……





………




しばらく気まずい沈黙の後口を開く

マオ「もしかして鍵を受け取ろうとしてます?」


会長様(予定)「? あたりまだろ?ここは俺の所有物だ」


マオ「いやいやいやいやこのハウスの鍵は僕が預かってるんですよ!いくら宇留鷲さんでも差し出せないですよ」鍵を守るように胸の内に隠す


会長様(予定)「大切な場所だと言っているのだぞ、俺が持っていて当然だ誰かに任せられたなど関係ない!」奪い取ろうと僕に覆い被さる


マオ「会長様(予定)重いです!それに学園のガーデンを管理しているガージィが僕を信頼して預けてくれたんです!渡せません!!!」


鍵を必死に守る僕と奪い取ろうとする会長様(予定)で取っ組み合いが行われ、しまいに僕はハウスの中央にある丸テーブルに腰を思いっきりぶつけてしまう、余りの衝撃に動けないでいる僕に会長様(予定)はビックリしたのか少したじろいだが

何かに躓き勢いよく前へ倒れたその体を僕を挟んで机に掴みかかる


ドカドカとお互いの心臓の音が鮮明に聞こえる、幸いにもハウスのテーブルは床に固定してあるタイプのもので二人の衝撃もビクともせず受け止めた、突然の事に脳の処理が追い付かず痛かった腰の事も忘れただただ目の前の彼を見つめる、しばらく視線を交わしていると少しずつ少しずつ頭が働き始め、綺麗な顔しているなぁとか、毛穴一つないやとか、思った通りがっしりしているなとか余計な事ばかり考えてしまう

いわゆる現実逃避だ


沈黙が気まずく感じる頃、出したくても出せない言葉を懸命に声にしようとする

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学園パラダイス 異人さん @yuu_981

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