第12話
あれから日をまたいだお昼時、会長様(予定)を避ける為、自分のお弁当を持って学園内をウロウロしていたら
迷子になりました☆
いやね、思っていた以上に学園が大きくて、それに平たい画面上でしか見たことなかった学園を拝めると思ったらつい楽しくて
知らない場所を探索!
って張り切っていたら本当に知らない場所へ来てしまった
木々や植物、花などが多いので学園内にあるガーデンだという事はわかる、でも残念ながらゲーム内のマップではガーデン内の詳しい位置情報はわからないのである
歩けば歩くほどに校舎から離れていく気がしてならない、なんだか森に迷い込んでしまった白雪姫になった気分だ
そんな事を思っていたせいかだんだん心細くなり、歩くのやめその場にしゃがりこむ
(このままここをくけ出せなくなったらどうしよう)
すると何処からかガサガサっと音が聞こえてきた、その音にびっくりし辺りを見回し警戒をしていると
麦わら帽子とオーバーオールを着た猫背のお爺さんがそこに現れた
マオ「ガージィだ」僕は目を見開き人だった事への安堵とその人物が自分の知っている人だという事に喜びを覚える
ガージィ「なんだお前さん、わしの事を知っておるのか?」僕は思わずうんうんと頷く
そんな僕を見てニコニコ微笑んだ
説明しよう!ガージィとは学園パラダイスのミニゲームに出てくるキャラで、名前自体はなく作中ではガーデニングのお爺さんと呼ばれており、ファンの間では略してガージィという愛称で知られている
ガーデンのエリアに入ると画面に現れ、出入りするたびに植物関係やガーデニングの豆知識を教えてくれる
ミニゲームを攻略するとその時一番好感度の高い攻略キャラ用のアイテムをくれるのである!
チマチマ地味な作業のミニゲームなのでそういうのが好きな人は何度もやってしまうのだ
ガージィ「どうしたんだいお前さんこんな所でしゃがみ込んで?腹でも痛いか?」
マオ「そんなことは無いんですけど…実は」うぅ今は高1だけど気持ち的には大学生一歩手前の頃の精神なのでここで迷子になったって言うのが恥ずかしい
ガージィ「わしも無駄に年を取っとらんからな、なんとなく察するわい」ふぉふぉと笑った後に付いてきなさいと言われ後を追う
しばらく歩いて行くうちに何か見覚えのある建物が見える
それは草木が生い茂り、何処となく古びた面影を残すが、お昼時の太陽をめいっぱいに反射していた
そこは僕の学園パラダイス全シリーズでのお気に入りの場所、ガーデンハウスだ!
今の状態は作中みたくキラキラではないが少なくとも僕の目には懐かしくとても綺麗に見えた
ガージィ「ちょっとばかしホコリがたまっておるが、休憩には十分であろう」
鍵を開け中に入る、確かに少しホコリっぽかったが全然気にならないぐらいに僕は興奮していた、なんてたってここは会長様(予定)のお気に入りの場所!彼のスキは僕のスキ!実際に作中でもとてもとても綺麗に描かれていて
このガーデンハウスをバックにした会長様(予定)を見るのが凄く好きだった
ガージィ「ここに座りなさい」そういって腰に巻いていた布を取りハウスの中心にある椅子を拭き僕に座る様にと差し出す、その後にテーブルも拭いてくれた
マオ「ガージィありがとうございます」
ガージィ「わしに敬語はよしなさい」足が痒くなると言われてしまったのでお言葉に甘えることに辺りを見回してハウスの中をよく観察する
ガージィ「昔は人手も多くてよく此処の手入れもしていたのだが、今はわしともう一人の要員しかこの学園の大きなガーデンの世話をしてくれる人がいなくてな」
本当はほったらかしにはしたくないのだがと何処か寂しそうに彼は言う
マオ「あ!あの!僕お手伝いしますよ!」僕の発言にガージィは目を見開き驚いている様子
「あっすみません、でも僕このガーデンハウスの綺麗な姿知っていて、それが凄い好きで!だから僕もこの場所を綺麗に大事にしたいんです!」
テーブルに手をつき体を乗り上げてガージィに訴えかける
ガージィ「そうか…そうか…わしももう一度見てみたいものだねこのハウスの綺麗な姿を…」
天井のテラス絵を見上げるガージィにつられて僕も上を見上げる
「それじゃ明日から頑張ってくれるか」という彼に僕は”はい!”と元気いっぱいに返事をする
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