第10話 牛頭の主
ダンジョン25層、ボス部屋の扉をアルトと共に開けた。
暗闇に包まれている部屋に一歩踏み入ると、壁につけられていた松明が一斉に燃え出し、円形の部屋を照らす。そして、部屋の中央には、巨大なバトルアックスを持つ、牛の頭をした男の巨大な石像が置かれている。二人が部屋に入ると、扉は独りでに閉まった。すると、石像の表面がひび割れはじめ、中から生物の質感を持つ肌が現れる。
「あれはミノタウロスだ!攻撃方法は怪力による物理攻撃のみだが、とにかく固い魔物だ!大人数での波状攻撃しか倒した例がない!俺たちでは無理だ!逃げるぞ!」
アルトが叫ぶ。二人がかりで扉を開けようとするが、開かない。どちらかが倒れるまで出られないのだ。
「くそッ、やるしかない!行くぞアルト!」
ミノタウロスは上から思い切り斧を振り下ろした。3メートルはある巨躯でありながら、アルトに匹敵するほどの速さだ。回避は間に合わないので、全力の防御で迎え撃つ。
「展開!
紫色の半透明な丸盾が斧とオレたちの間に出現し、がっしりと攻撃を受け止めた。攻撃を弾かれ、大きくのけ反ったミノタウロスの腹に、オレのスナイパーの弾丸と、アルトの炎を纏った剣戟が叩き込まれた。しかし、傷跡は至って小さく、ほとんどダメージを与えられていない。体勢を立て直したミノタウロスは低く唸ると再び斧を振りかぶる。オレは再度アイギスで攻撃を弾く。アルトと攻撃を叩き込む。それを幾度となく繰り返した。
「このままだとジリ貧だ!策はあるか!?ソラト!」
「あったらとっくにやってる!」
そろそろ魔力量も心配になってきた。このままだと本当に死んでしまう。
この状況を打開できる高火力の銃はないかと記憶をたどる。
すると、一つの大砲を思い出した。
自衛隊が研究していた、電気の力を用いて弾丸を飛ばす大砲。
レールガン。大砲にはあまり詳しくないが、なりふり構っていられない。
残りの魔力の9割をレールガンの生成に回す。
「生成!レールガン!」
一発きりの弾丸を用意した。
「アルト!この線に電気流せ!」
「分かった!」
その時、ミノタウロスが決着をつけるべく、全力の振り下ろしを仕掛けてきた。
オレは残りの魔力をアイギスにすべて使い攻撃を弾き返した。
斧が吹き飛び、全身ガラ空きだ。
蓄電していた電気を一気にレールへ流す。
電流で加速した弾丸が音速を超え飛翔し、無防備な牛頭を吹き飛ばした。
そこでオレの記憶は途切れた。
今までとは圧倒的に異質な銃――いや、この大きさは大砲だ。
王都の城には大砲という大型の火薬武器があるが、電気を用いる大砲など聞いたことがない。彼自身、銃にも火薬を使っていると言っていた。しかし、あのミノタウロスの頭――最も丈夫とされる部分――を打ち砕くとは、考えられない威力だ。
と驚いたのもつかの間、レールガンと呼ぶらしい大砲が消え、ソラトがその場に倒れこんだ。
「帰ろう。」
倒れた
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