第4話 いざ学園へ

 昨日のドラゴン戦の後に受けた手当のおかげで、怪我は9割は治っていた。薬や包帯にかけられていた「魔法」のおかげの様だ。

そう、オレは魔法を学ぶべきなのだ。ギルドで話を聞くと、少ない魔力量でも、魔力操作が上手いと、魔力のロスを少なくできる様だ。それに、簡単な炎魔法でも、銃作成の際に銃に刻めば、威力の底上げにもつながるだろう。スナイパーライフルの作成は、まだ不完全の状態とは言え、火力不足を痛感した。命懸けの戦闘中に、不完全だからなどと言い訳はできない。

 ここから一週間ほど歩いたところに「魔術学園都市」なるものがある様だ。学園と言っても、中身は大学に近いものらしく、大人が初級の魔術を受講するのも珍しくは無いようだ。幸いドラゴン討伐の報酬はたんまり出ているので、1年分の学費は余裕で払える。(学費がとりわけ高いわけではない)

そうと決まれば出発したいところだが、一つ用事がある。ミスリル製の丈夫なナイフを購入すると(ミスリルは高価なので、しばらくはお茶漬け生活だ。)昨日の洞窟跡に向かった。ドラゴンの死骸の一部が、瓦礫からはみ出している。ドラゴンの皮を、4メートル四方ほどで切り出し、丸めて背負うと、改めて、学園都市に向けて出発した。


 一週間後、俺は、魔術学園都市「オリオン」の正門を眺めていた。ギルドで書いてもらった通行手形のお陰で、何なく入ることができた。魔術学園には、入学試験はない。

「魔術を知るために学ぶのだから、初めから知っている必要はない。」という初代校長の言葉が、今も根強く残っているそうだ。

 ドラゴンの皮を街一番の服屋に預け、丈夫なジャケットを作ってもらう事にした。ドラゴンの皮が丈夫なのは身に染みてわかっている。野暮用も済み、この街の冒険者ギルドで登録を更新したので、明日に備えて今日は早く寝ることにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る