御歌
第7話 ※第二章脚注
ほとんど西行法師の和歌だけを紹介するような、超短いこの第二章です。和歌にある「月」とは誰をさすのでしょうか。月は手のとどかぬもの、その美しさ、高貴さにあこがれてはみても所詮はただ眺めおくだけのものでしかありません。それほどの月に法師が例えた人物とは…?一章からしてあきらかですがこの「阿漕の浦(めったにないことの例えに使われる言葉)」的人物との邂逅は出家するとは云え、いまだ在家姿の西行法師こと佐藤是清へのまたとないはなむけとなったはずです。いわば在俗のうちに得た最高の宝物として、在家への未練はもはやないとでもし得たことでしょう。しかし反面それゆえにこそいつまでも忘れられない思い出を‘人間’西行法師に与え続けもしたはずです。それが法師の修行の足を引っぱるのか、それとも「月ともした彼の人とてもやはり人、その捨て身のはなむけに応えでおくべきや」とばかり、彼の人を始めとして在家への恩返しとすべく、後の修行の糧となったかも知れません。第三章以下でその辺りを詳述しますが、それへの布告ともすべき短いこの章です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます