僕はまだ少年時代の栄光にすがる

森林幹

独白

二十歳になってから過去のことについて考えることが増えたと思う。


昔の僕と今の僕を比べても心の底にある根本的な何かが変わっているとは思えない。

ただ進むべき道を間違えたと何度も後悔する。

母親と逸れた幼子のように自信満々で活気に満ち溢れていた気持ちがどんどん消えて無くなっていくのが分かる。


人並みに勉強したし、友人関係もそれほど悪くはなかった。でもどれもが中途半端だ。

家族、友人、先生、恋人。様々な人たちに僕の人生を委ねてきたと思う。最初から最後まで自分で答えを導き出して進んできた道など一つもないんじゃないかと疑ってしまう。


「高校は〇〇高校にいった方がいい」だとか「付き合ってください」とかの返事にいつも『はい』と答えてきた。当時の僕は自分自身で考えた行動の結果が悪い方向に転ぶことを恐れていたのだと思う。自分で考えたことではなく他人が考えそれに従って行動したことなら責任を負わないで済む。

「そんな人生つまらない」と他人から見れば思われるかもしれないが僕はそんな生き方が楽だった。


一つでも誇れる、自慢できることはなんだろうと、ふと考える。そもそも僕が生き生きと生活していたことはあったのだろうかと。


過去の光景が瞼の裏に浮かぶ。

思い出したくもないあの頃の光景。でもいつかは振り向いてあげないといけないと思っていたもの。




_______


読んでくれてありがとうございました。

過去に落書きみたいに書いてあった作品があったので載せてみました。

気が向いたら続き書きます。












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僕はまだ少年時代の栄光にすがる 森林幹 @moribayasimiki5082

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