第2話
この日も僕はバスにギリギリ乗った。
昨日の体育の影響か身体中が筋肉痛だ。あの鬼教師め
。僕は昨日駅前の本屋で買った『人間失格』を持参していた。今日も彼女は眩しいくらいに可愛い。僕も『人間失格』を出して偶然をよそうという考えだ。
混んでるバスの中、なんとか彼女に近づいて僕も本を開いた。タイミングを見計らって、
「本、偶然ですね」
と僕が言うと、
「何がですか?」
「だから…ほ…」
あれ?今日は彼女『罪と罰』を読んでいた。
「あ、すいません」
すると彼女は僕の一つ前の停留所で降りた。
どこまでもダサい朝だった。
学校に着いた俺は「まじ、恥かいたわー」の、言葉しかなかった。もうこの『人間失格』も不要な物となってしまった。「だれか人間失格欲しい人いな~い??」
『…。』
誰もいないのかよ!
昼の休み時間僕らは校舎の庭で弁当を食べていた。
『洋一なんか面白いことあった?』
「なんもないよ」
『なんか隠してる!』
『お前好きな人いるだろー?』
「やめろって、ウィンナー落とすだろ!」
どこにでもある青春の1コマだ。
家に帰ると調べたい事があった。
あの謎のアプリ『ラブゲッチュー』だ。僕はiPhoneじゃない、Android派だ。プレイストアでラブゲッチューと打ってもヒットしない。それより僕はこのラブゲッチューを使ってみようと今日ずっと思っていたのだ。
サーチの虫メガネの所に
「バスの彼女とどうしたら仲良くなれますか?」
と打ったら
『明日の帰り道にわかります。』
と答えが帰ってきた。
おまけに30ポイント引かれている。
これはポイントを大事に使わないといけないなと思った。
僕はまた出された課題をやっていた。
でもやっぱり全然頭に入らない。彼女の事が気になって仕方ない。ベランダに出て「神様彼女の心を僕に下さい!」と願ってみた。
夜空に流れ星がキラリ。
早めに寝た。
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