第6話 2人の少女とショッピング
紆余曲折を経て、私たちはショッピングモールに到着した。そして今はどういう順番で巡るか話し合い中だ。
「るーちゃん、最初何みたいとかある?」
「....ヘアピン、とか、ヘアゴムとか....」
「それ聞いてて思ってたけど、るーちゃん結構髪気にしてるよね」
「....折角長く、可愛くなったんだから、楽しまないと」
女の子になった時に、るーちゃんの髪は腰あたりまで一気に伸びている。そんな長さがあれば色々な髪型が作れるね。
「じゃあまずはヘアピン見に行こっか!」
そして私たちはショッピングモールの1階へと足を運ぶ。そこには数多くのヘアピンが売られていた。もちろんヘアゴムもたくさんある。
「……これ可愛い」
るーちゃんは早速気になったものを見つけたようで、手に取っていた。それは蝶々の形をした紫とピンクと水色のカラフルなヘアピンだ。確かにるーちゃんに似合いそう!でもこれって確か……
「それ3点セットで結構するやつじゃない?お金大丈夫?」
「...大丈夫、お姉様が余分なくらいお小遣いを毎月送ってくるから。」
あんまりそういった素振りを見せないから忘れかけてたけどこの子、財閥家の娘(?)だったね。
「じゃあ、それが気に入ったのならそれにしよ?」
「……うん」
るーちゃんは嬉しそうにはにかんだ。その笑顔、まさにプライスレス。
「じゃあ次はヘアゴム見に行こっか!」
「……うん」
そしてまた私たちは歩き出す。
「るーちゃん、これどう?」
「……可愛い」
私が手に取ったのは、白とピンクの水玉模様のヘアゴムだ。シンプルだけど可愛いデザインになっている。
そして時は経ち、今はもう夕方だ。私たちはショッピングモールを出て、帰路についてるところだ。
「るーちゃんの買ったヘアピン、早速つけてみない?」
「うん」
そしてるーちゃんはヘアピンをつけてくれた。
「ど、どうかな?」
「めっっっっちゃかわいいよ!!!」
「……えへへ///」
もういちいち言動が可愛いすぎる!男の頃のるーちゃんももちろんいいが、これもこれで違った魅力がありすぎるね。
「じゃあ次はヘアゴムつけてみない?」
「……うん」
そうしてるーちゃんはヘアゴムを使ってポニーテールを作った。
「どう?」
「……可愛いよ、るーちゃん」
「そ、そっか……///」
そしてるーちゃんは顔を赤く染め、嬉しそうに微笑んだ。その笑顔に私はまたやられそうになったが何とか堪えた。
「じゃあ帰ろっか!」
「……うん」
そうして私たちは家に帰った。帰るまでのあいだ、るーちゃんはずっと上機嫌だった。私もずっとご機嫌だったけどね!
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