僕の誕生日
⚠自殺表現あり⚠自殺表現あり⚠
『今日は誕生日。父さんと母さんはゲーム、姉ちゃんは漫画と本をくれた。
毎年、誕生日を祝うためだけに姉ちゃんは上京したのに北海道へと戻ってきてくれる。母さんは、欠かさずケーキを作ってくれる。父さんは、自分の大好きなプラモを笑顔で僕にくれる。
僕は嬉し涙を流した。僕に、僕のためにみんなが祝ってくれる。なんて嬉しいことなんだろう。「父さん、母さん、姉ちゃん、今年もありがとう。僕幸せだよ。いつもみんなが居てくれるから、何でも頑張れる気がするよ‼ホントに大好き。」涙しながら僕はみんなに気持ちを伝える。
「涼、本当に良い子になったな。俺は嬉しいぞ」「本当にね、この世で一番かっこいいわよ。」「お母さんったら、でもそうね。お姉ちゃんもそう思うよ、自身持ちな!」「あ゙り゙が゙どゔーー」「そんな泣かないで笑。涼は笑ってた方がいいよ!」』
僕はパソコンを閉じた。天井に向かって背伸びをする。「さてと…」僕は静かに自分の部屋の扉を開けて、リビングに響く声を確認する。「何なの、本当にふざけてるの!?毎日毎日、教師が来て鬱陶しい。お前が学校に行けば済む問題を、なんでこんな簡単な事が出来ないわけ?頭おかしいんじゃない?ほんっと腹立つ」「ごめんなさい」「あ゙?謝ってる暇があれば早く学校いけよ。」出来損ないがよ、僕の母親はそう呟き、不登校の姉を1時間ほど叱っている。姉は、1年前に学校で漫画を書いていたのを馬鹿にされて学校に行かなくなってしまった。10分くらいすれば、きっと僕の番。さっき書いた小説を僕は見て笑った。「こんな家族あるのかな。幸せなんだろーな。」父親なんて2年前に逃げ出した。父親みたいな小説が書けるようになりたかった。そんな夢は静かに砕け散った。僕には、生きる希望なんてない。僕は、そこら中に広がる紙を1枚とり、遺書を書いた。
«僕は今日この世界にさよならを告げる。訳もなく生きるのは、もう辞める。僕はもう、母親を母なんて呼びたくない。もう耐えられない。鈴姉ごめん。鈴姉の方が、しんどかったと思うけど、僕は鈴姉は、夢を叶えてほしい。幸せになってね。»
カーテンレールに、ロープをかけて、覚悟を決める。「涼〜?涼‼‼早く降りてきなさい。」思っていたより早くてびっくりする。僕は急いで小さい机に乗って、ロープを首にかけた。「鈴!涼つれてきなさい。」机を蹴りとばし僕はずん、と下がった。初めに僕を見るのは鈴姉なのか。ごめん
さようなら、鈴姉。さようなら、僕の人生。
今日は僕の誕生日。
今日は僕の命日。
青春、人生、恋愛などの短編集 夜桜 @yuzu0812
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