第3話

(ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン…)


館内に二段階チャイムがひっきりなしに鳴り響いた。


二段階チャイムが鳴り止んだあと、緊急のお知らせが入った。


緊急のお知らせは、圭佑ケースケに対しての呼び出し放送であった。


圭佑ケースケの職場の人がエントランスホールに来ていた。


この時、最初のもめ事が発生したようだ。


ところ変わって、エントランにて…


白のタキシード姿の圭佑ケースケは、職場の人と緊急の話し合いをしていたがそこでもめ事が発生した。


圭佑ケースケは、職場の人から言われた言葉に対して激怒した。


「困りますよ!!なんでぼくひとりに急な頼み事を持ち込むのですか!?」


職場の人は、泣きそうな声で圭佑ケースケに言うた。


「なんでそんなに怒るのだよ…わしは、津慈本つじもとくんならできると思って頼んでいるのだよ〜」

「だからといって、よろこびの日をぶち壊すのですか!?」

「きちんとおわびをするから頼み事を聞いてくれ〜」

「またバクを直せと言うのか!?」

「バクを直すことができるのは津慈本つじもとくんしかいないのだよ…他の従業員はナマケモノだからバクを直すことができないのだよ〜」

「帰れ!!帰れと言うたら帰れや経営者クソアホンダラ!!」

「ワシを追い出す気か!?」

「やかましい!!部外者よそものは帰れ!!」


思い切りブチ切れた圭佑ケースケは、職場の人をボコボコにどつき回したあと館外から追い出した。


その後、控え室に戻った。


それから2分後であった。


常吉つねきちとよしこがエントランスホールにやって来た。


拡和ひろかずたち4人が乗っている車が到着していないので、心配になった。


この時であった。


圭佑ケースケにつまみ出された経営者がカバンの中からダイナマイトを取り出した。


経営者は、ダイナマイトを身体からだに巻き付けたあと導火線に火をつけようとした。


それを見た常吉つねきちが止めに入った。


常吉つねきちは『やめろ!!』と叫びながらダンヒルのライターを取り上げた。


ダイナマイトを身体に巻きつけていた経営者は『返せ!!』と叫んだあともうおしまいだと言うた。


「返せ!!…もうおしまいだ!!…ミツオミITはおしまいだ!!」

「アホなことをするな!!」

「止めるな!!ミツオミITはもうおしまいだよ!!」


よしこは、怒った声で経営者に言うた。


「だからといって、テロ事件を起こしてどーするのよ!!」


常吉つねきちは、経営者の身体に巻き付けていたダイナマイトを外しながら言うた。


「落ち着くのだ!!」


経営者は、女々しい声で泣きながら言うた。


「うううううううううううううう…ミツオミITはもうおしまいだよ…津慈本つじもとくんにバクを直してくれと頼んだのに拒否された〜…ワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーンワーン…」

「男がビービー泣くな!!」

「ワーンワーンワーンワーンワーン!!」


この時、近くを巡回していた松山東警察署ひがししょの警官5人がやって来た。


経営者は、ダイナマイトを所持していたこととテロ事件をくわだてた容疑で逮捕された。


逮捕された経営者は『ミツオミITはおしまいだ〜』と泣き叫んでいた。


一体なにがあったのだ…


常吉つねきちは、コンワクした表情でつぶやいた。


このあと、経営者が乗せられたパトカーがサイレンを鳴らしながらホテルから出発した。


その後、愛媛県警ほんぶから派遣された捜査員たちがやって来た。


経営者が持っていたダイナマイト類は、捜査員たちによって回収された。


時計のはりは、12時50分をさした。


結婚披露宴ひろうえんの開始予定時刻の10分前になったが、大和がまだ到着していなかった。


常吉つねきちよしこ夫婦は、ひどくオタオタしながらあたりを見渡した。


それと同時に、結婚披露宴場じょうないで新たなもめ事が発生した。


この時、圭佑ケースケの大学時代の友人の女性が受付の人に対して祝儀袋を返してほしいと求めた。


受付の人は、ものすごく困った声で言うた。


「祝儀袋を返せって…どうかなされたのですか?」

「アタシはものすごく怒っているのよ!!返しなさいと言うたら返しなさい!!」

「一体、なにがあったのですか?」

「席の配置にフマンがあるから言うたのよ!!アタシは(不仲になった女性)と一緒の席はイヤと言うたのに、なんで勝手に決めたのよ!!」

「すみませんでした~」


そこへ、もう一人の女性がやって来た。


もう一人の女性は、ものすごくあせった表情で受付の人に対して祝儀袋を返してほしいと頼んだ。


「すみませんけど、祝儀袋を返してください!!」

「祝儀袋を返せって…」

あねから電話があって、すぐにエミフルに来てと言われたのよ…」

「ど、どうしてですか?」

「だから!!あねがクレカを使いすぎたので不足分が出たのよ…店の人があと18万円払ってくださいと言うたのよ…早く出してよ!!」

「分かりました〜」

「早くしてよ!!」


受付の人は、アタフタした様子で祝儀袋を取り出した。


このあと、数人の出席者たちが受付の人に対して祝儀袋を返してほしいと言いに来た。


数人の出席者たちは、急にパートに入ることになった…の仕事上の理由で結婚披露宴ひろうえんに出席することを取りやめることになった。


この時、圭佑ケースケとほのかの気持ちが極度に落ち込んでいた…


とてもとは言えないが、この状況で結婚披露宴ひろうえんを挙げることはコンナンになった。


このあと、より深刻なもめ事が結婚披露宴場じょうないで多発した。



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