第2話

(キーッ…カチャッ…ピッピッピッピッピッピッピッピッピッピッ…)


またところ変わって、今治市東門前しないひがしもんちょうの団地内にある中型のセキスイハイムの家にて…


家の前に車が停まったあと、ミニバンのドアがゆっくりとひらいた。


その後、舞とまやが車から降りた。


まやは『えーんえーん…』と泣いていた。


舞は、ものすごく怒った声でまやに言うた。


「裏表をひっくり返して服を着たまやが悪いのよ!!急ぎなさい!!」

「えーんえーんえーんえーんえーんえーん…」


舞は、ドアのカギをカイジョウしてドアをあけた。


その後、舞とまやは家の中に入った。


家の広間にて…


「えーんえーんえーんえーんえーん…」


まやは『えーんえーん…』と泣いていた。


舞は、裏表がひっくり返った衣服をゴミ箱にすてたあとタンスの中からアイフクを取り出しながら言うた。


「今からママがアイフクを出してあげるから待ちなさい!!」

「えーんえーんえーんえーんえーん…」


急がなきゃ…


まやに合うアイフクを急いで着せないと…


間に合わない…


舞は、タンスの中に入っていた子供服いふくを全部取り出したあと一着ずつまやに着せた。


ダメ…


この服はおかしいからダメ…


………


舞は、まやに子供服いふくを一着ずつ着せたあと品定めをしていたが、どれもおかしいからダメと言うてゴミ箱にすてた。


(カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン、カーン…)


部屋の柱についているカシオの電波時計から午前11時を知らせるかねが鳴った。


家にまた戻って来たのは、午前10時15分頃だった…


それから45分の間、舞はまやに着せるアイフクの品定めをしていた。


しかし、タンスから取り出した子供服いふくは全部おかしいので舞はゴミ箱にすて続けた。


その結果、舞は大失敗をやらかした。


ああ…


大失敗した〜…


どうしよう…


時は、午前11時10分頃だった。


家の中から出てきた舞とまやは、車に乗り込んだ。


運転席にいる拡和ひろかずは、怒った声で言うた。


「おい、急げよ!!」

「分かってるわよ!!だけどこのままでは行くことができないのよ!!」

「舞!!」

「あなた!!今すぐにユニクロへ行ってよ!!」

「なんでユニクロに行くのだよ!!結婚披露宴ひろうえんは1時から始まるのだぞ!!」

「このまま行ったらまやが笑われてしまうのよ!!」

「ふざけるな!!」

「あなた急いでユニクロへ行ってよ!!」

「分かった!!」


このあと、4人が乗っている車が家の前から出発した。


時は、11時半頃であった。


またところ変わって、今治市旭町しないあさひまちにあるユニクロの店内にて…


店内に設置されているベンチに座っている大和は、ものすごくつらい表情を浮かべていた。


この時、大和の気持ちは結婚披露宴ひろうえんの司会ができる状態ではなかった。


大和は、ほんとうのことを言うとまだほのかを愛していたと思う…


大和とほのかは、幼稚園から中学まで一緒だったので気心が知れていた。


気心が知れた同士だから、結ばれると思っていた…


しかし、IT企業の正社員で年収2000万の圭佑ケースケにほのかを取られた…


だから、ほのかと圭佑ケースケ結婚披露宴ひろうえんの司会を務めることがイヤである…


イヤなものをなんで引き受けなきゃいかんのだ…


ほのかは、勝手すぎる…


…と大和は思っていた。


そんな中で、深刻なもめ事が発生した。


場所は、店内にあるフィッティングルームにて…


舞は、まやに合う子供服いふくを一着ずつシチャクしていた…


しかし、どれもおかしいと言うて次々と拒否した。


まやは、ぐすんぐすんと泣きながら言うた。


「ママ〜、ママ〜…」


舞は、イラついた声でまやに言うた。


「もうすぐアイフクが見つかるから待ってよ!!」


そこへ、拡和ひろかずがものすごく怒った表情でフィッティングルームにやって来た。


「舞!!」

「あなた!!」

「いつになったらアイフクが見つかるのだ!?」

「もうすぐまやにお似合いの子供服いふくが見つかるから待ってよ!!」

「おい!!もうすぐ12時になるぞ!!」

「分かってるわよ!!」

「分かっているのだったら急げよ!!」

「あなたも一緒になって選んでよ!!」

「なんやオドレ!!」


舞と拡和ひろかずは、よりし烈な怒鳴り声をあげながら大ゲンカを繰り広げた。


思い切りブチ切れた大和は、ベンチから立ち上がったあと店から出ていったあと行方不明になった。


時は、12時半頃であった。


またところ変わって、道後温泉どうごの(ホテル)椿館つばきかん結婚披露宴場ひろうえんじょうにて…


結婚披露宴場ひろうえんじょうにいる出席者のみなさまは、所定の席に座っていた。


常吉つねきちよしこ夫婦は、ソワソワした表情を浮かべながらあたりを見渡した。


常吉つねきちは、ソワソワした表情で懐中時計とけいを見た。


時計のはりは、12時半を少し回っていた。


ソワソワした表情を浮かべているよしこは、あたりを見渡しながらつぶやいた。


おそいわね…


あと30分で結婚披露宴ひろうえんが始まるのに…


大和はどこにいるのかしら…


早くしてよ…


時計のはりは、12時40分になった。


あと20分で結婚披露宴ひろうえんが始まるのに、大和がまだ到着していない…


拡和ひろかずと舞さんはどこでなにをしているのよ…


ほのかちゃんと相手の人が待っているのよ…


よしこは、ひどくおたついた表情であたりを見渡しながらつぶやいた。


そんな中で、深刻なもめ事が結婚披露宴場じょうないで次々と発生したようだ。




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