二十四日目
高田くんの大きな手に、私の手を接続した。
高田くんの手は温かかった。
不覚にも安心してしまった自分が、気持ち悪い。
なぜだろう。
繋いでいる手は右手なのに、左手の手汗を気にしているのは。
右手の手汗も、手を離して拭けばいい。
なのに、私の右手はその用事をなくそうとしない。
また繋げば、いい話。
そう心の中では思っている。
でも。
心の奥底に、ちゃんと答えがある。
離して、また繋ぐ。
それをする勇気がないから。
そんなことしたら、私は貴方の手を離したくないと言っているようなものではないか。
なんか、そんなことをする自分は。
見たくない。
あくまでも、繋いだ手を離すのが面倒臭いというスタンスで居たい。
私も、正直になりたいんだけど。
理由もないのに、高田くんに惚れている自分が気持ち悪いと思ってしまう。
恋愛って、そんな気持ち悪い自分を自覚するものなのか。
実際、そうである。
だけど、好きになってしまった以上は。
嫌でも、好きな人の成分を欲するんだ。
人間ってのは、そういう生き物だ。
あと、厄介なことがもうひとつ。
恋愛は。
苦しくなるほどの動悸と、甘い安心感が同時に来るから。
苦しいけど、一緒にいたい。
みたいなことが、よくある。
疲れるよ。
でも、同時に。
その疲れを癒すのも、好きな人なんだ。
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