十三日目

「王様だーれだ!」

一斉に声が響き渡る。

「橋川様でーす!」

青春の音色と言っても、過言ではない。

「うーん、じゃあ。二番が三番に告白台詞!」

王様ゲームが何回か続いたら、命令も内容の濃いものになっていく。

三番は私。

五割の確率で、嫌な状況になる。

高田くんに言われたら、私はどうなるんだろう。

その状況とは、二番が高田くんだった場合。

「……二番、俺なんだけど。」

高田くんが名乗りを上げる。

噂をすればとはいうが、脳内でも駄目なのか。

好きな人に告白台詞を言われるなんて嬉しい。

私も、そう思いたい。

「高田! ︎︎言っちゃえ!」

私の前に高田くんがいる。

橋川さんの囃し立てる声と高田くんの深呼吸が同時に聞こえる。

絶対に無理させている。

それも嫌な状況の原因ではあるが、もっと他にも原因がある。

「好きです。付き合ってください。」

その台詞が耳にとどまっている。

「すぐ、次。」

その原因は普通に恥ずかしくて、喋ることができなくなること。

「嫌でしたよね。すみません。」

その声は右耳から入り、左耳から出る。

頭に残り続けているのは、心臓の鼓動を強める告白台詞だけ。

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