ざまぁ確定の悪役貴族に転生した俺が、最推しのラスボスヒロインと結婚することになったので原作知識をフル活用して幸せになります~なお、嫁を馬鹿にした勇者は俺の敵じゃありません~
第37話 必ず……! 必ず炙り出してやる……!
第37話 必ず……! 必ず炙り出してやる……!
次の日の朝。
「どこじゃワレぇ!! ささっと出てきやがれ!! ゴミどもが!!」
俺はルナから貰った癒しを怒りに変え、辺り一面に魔法をぶちかます。
本来、この時間もルナとのイチャイチャタイムになるはずだったのだ。この時間の代償は必ず償わせなければならない。
勘違いをしないで欲しいが、もちろんそれだけではない。
昨日の晩。折角、ルナが甘やかしてくれたのにも関わらず、いつ邪魔されるかもしれない……例えるなら、歯に挟まった魚の小骨のような気がかり。
せっかくルナを堪能できる時間なのにまったくもって集中できなかった。
『アイク様……やっと二人きりになれましたね♡』とか『部屋に備え付けの露天風呂……とても良かったです♡ ですが……温泉のせいでしょうか? 身体が熱いです♡』なんて甘すぎる言葉をかけてくれていたのに!!
心の中で『また邪魔されるんじゃないだろうか?』とか『頼む!! 今だけは来ないでくれ!!』やら、邪念が邪魔をする。
折角、新しく領地を貰い、家を建て、あまつさえ初夜なのに??
これが許されるはずがないよなぁ?
とはいえ、詳しい居場所は不明。だったら、全部攻撃すればいいよなぁ?
本当に我ながら悪役らしい行動だと思う。ただ……原作のアイクらしいかと聞かれたら何も答えられない。
あとついでに、危険そうなモンスターも一緒に駆除しておきつつ、主要になりそうな道は良い感じに整えておこう。
「さすがです!! アイク様!!♡」
ルナの熱い視線と熱い声援に心昂ぶらす。そして、あえて俺はその時間ですら魔王崇拝者とかいうやつらに奪われるかもしれないという危機感を怒りにそして力に変える。
「聖女様……あれって、A級指定のボルケーノドレイクですよね?」
「そうですね……間違いなくA級指定のボルケーノドレイクだと思います」
「そんな。いとも簡単に……これが噂に聞く白聖のお力なのですか? それとも人間族全てがこの力を……?」
「リコリス様。僭越ながら申し上げますが、アイク様が特別なのです。それと一々、驚いていたら身が持ちませんよ。なにせ、アイク様はあのブラックドラゴンを一瞬で倒し、500体のオーガの群れをお一人で倒された方ですから」
「じょ、冗談ですよね……? と言いたいところですが、今見ている光景から嘘ではないと理解できます。意地を張って嘘だと思い込むほど私は愚かではありませんので」
神経を極限まで集中させているせいで、アリサとリコリス第三王女の会話が耳に入ってしまう。別にこの嘘か本当かなんて信じて貰わなくても構わない。
俺は
別に褒められるいわれもない。
「くたばりやがれ!!」
俺はさらに魔法をぶちかます。
聖女でありアリサは魔王崇拝者がこの辺りにいると掴んだ。
ブラックドラゴン討伐時に捕虜となった魔王崇拝者の一人がそう言ったのだから間違いはないだろう。
何故そう言い切れるかって? それは少なくとも原作内では魔王崇拝者はどの地域にも潜んでいるから。1匹いたら30匹はいると思えでお馴染みの害虫となにも変わらない。王都を含めて、根が張っていない地域は実は存在しない。
本来はそれくらい厄介な敵なのだ。
しかし言い換えるならば、この地域のどこかの必ずいるということ。
必ず……! 必ず炙り出してやる……!
「事情を知らなければ、どちらが魔王側なのか分かったものではありませんね」
「あぁ……失礼だと思いますが、リコリス第三王女の仰る通りだと思います」
「そ、それにしてもアイク様はとてもお怒りのご様子。よほど魔王崇拝者の悪行が許せないのですね……まさか人間族にここまで高潔で正義感の強い心を持っている者がいるなんて、エルフ族にも中々いませんよ。人間族は誰もがアイク様のような方なのですか?」
「いいえ、リコリス様。アイク様が特別なのです」
「なるほど……これを機にアイク様と交友を結ぶべきですね」
アリサとリコリス第三王女はそんな話をコソコソとしている。
まったくやかましい。なんだその『高潔で正義感の強い心』って、俺がそんなもんある訳がないだろう。
あえて持っているのであれば、ルナに対しての『下心』だけだ。
「あぁ……♡ 野性的なアイク様も素敵です♡」
野 性 的 な 俺 も 素 敵 ! ?
だったらいっそ野生に還って、狼にでもなってしまおうかな!!?
しかしいくら手当たり次第に攻撃しても全く見つかる気配が半分ストレス発散で魔法をぶっ放していたところもあるが、時間の無駄だ。
「まだ出てこないか……。かくなる上は」
俺は目を閉じて、大きく深呼吸をする。
「集中――
地方全域に俺の神経を隅々と行き渡らせる感覚でオートサーチを展開する。
む? なんかあそこだけ違和感が強いな。
だったら、そこにぶちかますしかないよなぁ??
俺は大量に火の魔法陣を展開させる。
かつて俺はルナに教えたことがある。複数の火をくっつけると反応で大きくなる。
あの時はルナに説明をしていなかったが、この世界で火の魔法を合わせてると大きくなるのは、魔法という触媒を通した結果シナジーにより魔法が強くなっているのだ。
つまり、火の魔法は組み合わせれば組み合わせるだけ強くなるということ
さてここで応用問題。
1000個以上の火の魔法陣を展開して、同時に射出した時の威力はどれくらいだろうか?
正解は――
「くたばりやがれ」
――山くらいなら丸々消し去るくらいの火力でした。
「ビンゴ」
俺の攻撃でボロボロになった
ルナと思う存分イチャイチャできる時も遠くはない。
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