第33話 シオン、驚愕される

村長達の大絶叫にシオンとラオレットは思わず耳を塞ぐ。

そんな二人の様子を見た村長達はすぐに二人に謝罪してきて、シオンに質問を行っても良いかと尋ねてきた。


「……うぅ、耳が……」


「あ、申し訳ありません、シオン様……」


「うるさくしてしまい、大変申し訳ありませんでした!」


「いえ、大丈夫です。ほんの少しだけうるさかっただけですから」


「そうですか……それなら良かったのですが……ところであなたが本当にシオン様なら色々とお尋ねしたいことがあるのですが、質問していっても大丈夫でしょうか?」


「構いませんよ。さあどうぞ」


村長達のお願いを快く引き受けたシオンに村長達が様々な質問をしていく。


「ありがとうございます。それでは最初の質問なのですが、なぜシオン様がこんな村に来たんですか?」


「そのことですか。実は今日長期の休暇を与えられましてね、さらに休暇期間になにをすればいいのかわからないと言った私に世界各地を旅して回るのはどうだろう? と、提案してくださったのです」


「……つまりこの村に来たのは旅の途中で偶然立ち寄っただけだと……」


「そうなります」


シオンの返答を聞いた村長達は何度か頷くと次の質問をしていった。


「そうでしたか。それでは次の質問なのですが、我々がお願いしたらシオン様は……その……」


「大丈夫ですよ」


「え? いや、まだ質問の途中なのですが……?」


「新しく見つけた魔物を退治してほしい、そういうお願いですよね? それなら任せてください」


シオンの発言を聞いた村長達は一度自分達だけで話し合いを始める。


「……あの、少し相談してきてもよろしいですか?」


「はい、大丈夫ですよ」


「ありがとうございます。それでは……」


こうしてしばらく話し込んだそのあとで改めてシオンに魔物退治を頼んできた。


「お待たせいたしました、シオン様」


「そんなに待っていないので心配されなくても結構ですよ。それでどうなりましたか?」


「やはりシオン様にお願いしようという結論になりました。というわけですので、お願いしてもよろしいでしょうか、シオン様?」


「はい、任せておいてください!」


村長達の依頼を笑顔で元気良く引き受けるシオン。

そんなシオンに村長達が聞きにくそうにしながら成功報酬の話をしていく。


「おお、ありがとうございます! それではお願いします! ……それでもうひとつお尋ねするのですが、魔物退治を達成された時の報酬は……」


「必要ありません。先ほども言いましたが、私に報酬を払うぐらいならその分を村の復興のために使ってください」


申し訳なさそうな表情の村長達にシオンは笑顔で話し掛けた。

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