第9話 シオン、巨大ロボットで戦う
マジシャンズブルームに搭乗したシオンに、団長が忌々しそうにしながら話し掛ける。
「ちっ! やっぱりてめえも呼び出したか!」
「それはまあ。やろうと思えばマジシャンズブルームを使わなくてもなんとか戦えるとは思うんですけど、少し楽をしようと思いまして」
「なめやがって、くそが!! さっさと降りてこい! バラバラにしてやる!!」
このように叫んだ団長にシオンがすでにある程度の性能差が理解できたように呟く。
「……なるほど、そちらの機体は空を飛べないというわけですか」
「うるせぇ!! とっとと降りてきやがれ!!」
「……こっちはこのまま上空で戦ってもいいんですけど、それだと心からの納得はしてもらえないでしょうから……わかりました、降りましょう」
こう話すとシオンは団長の要求を受け入れて地上に降りていった。
そうして完全に降りる直前、団長がシオン機に不意打ちを仕掛けていく。
「……今だ! 食らえ小娘!」
「……あら、ずるいことをしてくる」
「うるせぇ、食らえ!」
団長はシオン機に向けて突進していくとその勢いのまま持っていた斧を振り下ろす。
しかしシオン機はその攻撃を軽く受け止め、そのまま反撃に転じていく。
「……ほっ、と。とりあえず片腕は封じさせてもらうよ」
「なっ!? こいつ、あっさりと受け止めやがった!?」
「続けて片腕を破壊させてもらうよ?」
「……え? なにっ!? 片腕を、簡単に!?」
団長機の片腕を掴んでいたシオン機は、その掴んでいた片腕を軽く握り潰すと続けて団長機に高速の連続パンチを繰り出していった。
「続けて、連続パンチ! いきます!」
「な、に!? げえっ!?」
「それそれそれ!」
「う、うおっ! やめろ!? この機体、高かったんだぞ!?」
「それは残念でしたね。でももう遅いですよ。だって私の忠告を無視したんですから」
「……う……」
シオンの発言を聞いた団長は思わず言葉に詰まり、完全に無防備な姿をシオン機に晒してしまう。
その様子を見たシオンが団長機に止めを刺しにいく。
「動きを止めましたね。それではこれで終わりにします!」
「……え?」
「いきます!!」
シオン機は腰に取り付けていた剣を抜いて装備すると、即座に団長機を斬り刻み始めた。
「はああぁぁっ!!」
「え!? うわっ、うわっ!?」
「これで……終わりっ!!」
「……あ、ああ……」
シオン機が団長機を斬り刻み始めるとあっという間にバラバラになっていき、攻撃開始から十秒後には団長機は再生不可能なレベルにまでバラバラにされていた。
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