第4話 シオン、詳細を確認する

国王に休暇の過ごし方として、旅に出ることを提案されたシオンは、その内容について深く尋ねてみることにした。


「旅……ですか? 具体的にどのような旅にすれば良いみたいな、おすすめの旅行計画などはありますか?」


「いや、それはさすがにそなた自身で考えてほしいのだが!?」


「……やっぱりそうなりますよね……でも旅ですか……確かに休暇の過ごし方としては良さそうですね」


「そうであろう? 問題はどのような旅にするかだけだからな」


「我々もそう思います。それに旅の目的も、ひとつなら提案できると思います」


国王の言葉に次第に納得してきたシオンに、側近が旅のプランについて考えがあると告げていく。

これにシオンは食い付いた。


「え!? なにか目的を教えてくれるんですか!? 是非ともお願いします!」


「わかりました。それではお教えしますが、シオン殿のお師匠様が修行時代の終わりに世界各地を旅して見聞を広めたと聞いております。これをシオン殿もやってみる、というのはいかがでしょうか?」


「……世界各地を旅して見聞を広める、ですか……それならば確かに私の成長にもなるでしょうし、良いかもしれませんね!」


「そう思うでしょう? 我々も必死で考えましたからね」


「そうなんですね。それにしても旅かぁ……最初はどこの国に行こうかなぁ……」


シオンの反応を見た側近が嬉しそうに頷き、シオンが最初の旅の目的地を何処にするかを考えていると、国王がシオンは話し掛けてきた。


「シオン、少し良いか?」


「え? 大丈夫なのは大丈夫ですけれど、いかがされたのですか、陛下?」


「その旅についてなのだがな、休暇と言って旅に行かせるのに悪いのだが、ひとつだけ仕事を頼まれてくれぬか?」


「仕事ですか? それは構いませんが、どのような仕事をすれば良いのでしょうか?」


仕事を任されると聞いて目を輝かせたシオンに、国王が深い溜め息を吐きながら仕事の内容を話していく。


「……訪れた国の情報収集をしてもらいたい……聞かなくても大丈夫だろうが、頼めるか?」


「はい、大丈夫です! お任せください!」


「……やはり聞かなくても良かったか……」


シオンの返答にガックリと肩を落とした国王に、シオンが具体的にどのような情報を集めれば良いのかを尋ねる。


「それで陛下、私はどのような情報を集めれば良いのでしょうか?」


「特に指定はない。軍備や経済状況、民の暮らしなど、あらゆる情報を集めてほしい」


「わかりました。集めた情報はどのように陛下の元に届けましょうか?」


「集めた情報は各地にいるポストマンに預ければ良い。あとはポストマン達がここまで届けてくれるであろう」


「了解いたしました」


「それとこちらからそなたになにか伝えたい時にもポストマンを使おうと思っている」


「わかりました」


「うむ。他になにか、聞きたいことはあるかな?」


国王はこのようにシオンに尋ねていった。

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