第2話  朱雀、社長に会う

 神邏は西木に連れられ、天界の芸能事務所へと連れてこられた。

 ちなみにルミアもちゃっかりついてきてた。


 外観はあまり人間界とは変わらない様子。中も普通の会社みたいだった。


「なんか、拍子抜けですね」


 ルミアがぼやく。

 気持ちは分かるが、失礼だぞと神邏は思う。


 そして、三人は社長室へ着く。


 すぐに面接、もとい面談をすることになったのだが……


「ミズチ!でかした!」


 社長はにこやかに西木の肩を叩く。どうやら神邏を一目で気に入ったようだ。


 ちなみにこの社長女性だ。

 見た目も若く見える美人。

 年はいくつなのだろうか?


「姉さんのお眼鏡にかなったようで何よりだよ」


 と西木。

 ……姉さん?


 神邏の疑問に気づいた西木は言う。


「あ、ごめん言ってなかったね。ここの社長はぼくの姉さんなんだよ。年離れてるけどね」

「こら、年の話はすんな」


 姉の頼みを無下にできなかったわけか……と、神邏は腑に落ちる。


「これだけの容姿なら、すぐにでも大きな仕事にぶちこんで、大々的に売りたいものだな!」


 だいぶ期待されてるもよう。

 神邏はあまり期待しないでほしいと思っていた。


(俺なんか推しても後悔するだけだと思うがな……)


 彼は卑屈というか、自分に自信がないのだ。


「ところで、この小娘は?」


 社長はついてきてたルミアに視線を向ける。

 ルミアは挨拶する。


「神条ルミアです。神邏くんの幼なじみで~マネージャー希望です!」


 なんと、マネージャーになりたいからついてきてたのか、と驚く神邏。


「素人をマネージャーにしてもな……」

「私、神邏くんの事なら何でも知ってますし、メンタルケアも出来ますよ!それに神邏くんは人見知りですから、私みたいな身内がいた方が気が楽なはずです!」


 神邏自身も確かにと納得してる。


(ルミがいてくれるなら、心強いかもな……)


 社長は不信な目でルミアを見る。


「ふーん。でもあんた下心とかありそうなんだけど」

「ギクッ!」


 口でギクッなんて言う奴初めて見たと社長は思った。


「なーんか分かりやすいわねあんた。この子に特別な感情持ってて、何か企んでるんでしょ」

「た、たたたたた企んでるだなんて!ひ、ひひ人聞き悪いですよ!」


 図星とはいえ狼狽えすぎる。

 逆になんか面白いなと思った社長。


「あんた面白いわね。顔も良いし、それにその胸」


 視線を下げルミアの胸部に注目する。

 爆乳、いやその一言では言い表せないほどめちゃくちゃデカイ。

 グラドルでもここまでデカイのはまず見ない、それほど大きかった。


「あんたもアイドルとか」

「やりません!」


 ……即答だった。


「私、媚び売るのとか嫌いですし、人ゴミも嫌いだし、歌とか踊りも興味ないので!」

「そ、そうなの……」

「あと忙しいと遊べないし、神邏くんと弟くんに会える時間減るとか嫌なので!」

「あ、うんわかった……」

「でも、誘いたくなる気持ちはわかりますよ!私って世界一可愛いですからね!ですよね神邏くん!」


 ルミアは神邏に同意を求める。

 すると彼は頷いて微笑みかける。


「そうだな」

「えへへ~ですよね!」


 そんな二人を見て、社長は少し呆れぎみに言う。


「なんだこのバカップル……」


 つづく。


 ――神邏ファンの日常のコーナー


「マネージャーになれれば、神邏くんとさらに1日中いられるわけですから、……ふ、フフフ」


 何か企んでるのは間違ってないんですね。


「さあ~どうですかね~でもスケジュール管理ってなんか良いですよね~神邏くんの全てを管理してる気になる……」


 ストーカー一歩手前の人からしたらたまらないですか?


「誰がストーカーですか!」


 て言うか、まだアイドルになってないからこのコーナーの存在意義がないですね。


「まあつまるところ私の神邏くんに対する愛を語るコーナーだからいいんですよ」


 本編でもいまだに告白してないのに。(本編100話時点)


 コーナー終わり。


 次回 朱雀、初仕事?

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