第4話・やべぇ、我がエースがすげぇカッコいい!!

《ターン3のメインタイム、プレイヤー・シアン》

・プレイヤーネーム、シアン

・ライフ7、手札2枚

・ギルド、ウィンド

〈フィールド〉

・風切りゴブリン〈フリー状態〉

・緑人形〈フリー状態〉

・風来サムライA〈フリー状態〉

・風来サムライB〈フリー状態〉

・風来サムライC〈フリー状態〉

・緑服の踊り子〈フリー状態〉

天弦竜スカイライン・エクシード〈フリー状態〉

 ーー

・プレイヤーネーム、バルト

・ライフ10、手札2枚

・ギルド、ファイア

〈フィールド〉

・ファイアマンA〈ダウン状態〉

・ファイアマンB〈フリー状態〉

・ファイアマンC〈フリー状態〉

・レッドリザード〈ダウン状態〉

・フレイム・ミノタウロス〈ダウン状態〉


 フィールドに降り立つ天弦竜スカイライン・エクシード。

 この世界で手に入れたエースカードで、リアルで見るとすごくかっこいい。


「な、なんで新人がEXレアなんて持っているんだよ!?」

「答えるつもりはないけど」

「そうかよ! ならオレが勝って聞き出してやる」


 

 こちとら前世の世界大会の優勝者でプライドはあるつもりだぞ。

 ここで負けたら世界最強を名乗れないから、今持っているカードを使って叩き潰す。


「バトルタイム! 天弦竜スカイライン・エクシードでアタック!」

「ここはファイアマンでガード!」


天弦竜スカイライン・エクシード

・攻撃力7、打撃5

 VS

・ファイアマン

・防御力1、打撃1


 数値的にはコチラが上。

 そのためエクシードが鋭い鉤爪を使い、パタパタとしているファイアマンを軽々と吹き飛ばした。

 そのおかげで相手のブロッカーが減って、コチラが有利になった。


「どんなに強くてもガードが出来れば関係ねぇ!」

「それはどうかな?」

「ッ!」


 コチラのアタッカーは5体で向こうはブロッカーが1体。

 今がチャンスなのは明白なので一気に凸るか。


「続いて緑服の巫女でアタック」

「そのアタックはもう1体のファイアマンでガード!」

「これでブロッカーはいなくなったな」


 緑服の巫女

・攻撃2、火力2

 VS

・ファイアマン

・防御1、火力1


 緑服の巫女は着物を翻しながら短剣で転んだファイアマンを突き刺して破壊。 

 これでヒャッハー男のブロッカーはゼロで、コチラのユニットは残り3体。


「これでオレのライフを削れるが、トドメまでは持っていけないだろ!」

「なぜそう思うんだ?」

「ッ!? そんなのお前がアタックできるユニットが残り4体だからだろ」

「確かに今はな」


 深みのある言い方はもう癖だな。

 ヒャッハー男がコチラの自信に戸惑っているようだけど、特に問題はなさそうだし展開を進めるか。

 深みの言い方をしつつ、俺はニヤッと笑いながらフィールドに揃っているユニットに指示を出す。


「風人形と風来サムライ2体でアタック!」

「ぐっ! そいつらのアタックはブロックしない!」


 風人形

・攻撃1、火力1

 ー

・風来サムライ(2体)

・攻撃3、火力2

 ー

 ダメージ、2+2+1=5

 バルト、ライフ10←5


 風人形が放つ空気の弾丸+風来サムライ2体の連携攻撃でヒャッハー男のライフは半分になる。


「ぐうぅ! だが、これでアタックできるユニットはいなくなった!」

「悪いが俺のバトルは終わってない」

「いやいや、お前のユニットは全てダウン状態だろ!」


 あのー、まだアタックしてない風切りゴブリンを忘れてない?

 まあ、されはさておき。

 ここで勝負を決めるために、我がエースカードのソウルを発動していく。


天弦竜スカイライン・エクシードのソウル発動! 手札を1枚を捨ててこのカードをライト状態にヒールする」

「……は?」

「そして、今は俺のバトルタイムだからもう一度アタック!」

「そ、そんなバカな!?」


 火力5の化け物の攻撃なんて受けたくないよな。

 ヒャッハー男に同情の視線を送りながらも、容赦なくトドメをさしていく。


「コイツで終わりだぁ!!」

「ぐあぁ!?!?」

 

 天弦竜スカイライン・エクシード

・攻撃7、火力5

 ー

・バルト、ライフ5→5

(勝者、シアン)


勝負グレイズの結果、プレイヤーネーム・シアン様の勝利になります』

〈報酬〉

・スパチャ、6300円

・ランクポイント15


 スパチャはこの対戦を見ていたリスナーの方々がマネーチャットを打ち込んだ合計金額。

 ランクポイントはプレイヤーのランク付けに使われるみたいだな。


「くそっ! 新人にに負けるなんて!」

「お、おう……」


 こちとら元世界一位だぞ。

 ヒャッハー男が悔しがっている中、俺達は電脳世界から現実世界に戻っていくのだった。


〈余談〉


 現実世界に戻った後。

 先程の勝負グレイスを見ていたショップのお客さんが次々とコチラに集まってきた。


「新人ランクなのにあの剛力のバルトを倒すなんて!

「ばか! 課金アバターを使っているからオレはただ物じゃないと思ったぜ」

「ねえねえ! あのEXレアのカードを見せてくれない?」

「お、おおう……」


 前世では感じたことのない高揚感。

 ただ人が集まり過ぎているので、俺は苦笑いを浮かべつつショップから離れていくのだった。


〈主人公(シアン)のエースカード〉

・名前、天弦竜〈スカイライン〉・エクシード

・ギルド・ウィンド

・レア度EX

・ダイヤ7、風属性

・攻撃力7、防御力8、火力5

(能力変更後)

・サモン・条件フィールドに風属性モンスター3体以上

・コスト、手札1枚を捨てる

・ソウル、自由・名称ターン1、このカードがダウン状態の場合、手札を1枚捨てて発動できる。このカードをライト状態にヒールできる。

 ーー

〈カードの使うタイミング〉

・自由、条件を満たせば好きなタイミングで発動できる

反撃カウンター、相手の効果や行動に対して使える。〈カウンターにカウンターカードは使えない〉

・限定、効果の条件が整った時に発動できる。

 


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