第2話 狐
狐たちの話し声が聞こえる。声には怒りや焦りが混じっている。
「あの狸、まだ生きているぞ!あっちだ今日こそは絶対に逃がすな!」
「すみません。あそこで犬神家みたいになってる男はどうしますか?」女の声をした狐がリーダーに尋ねた。指をさした先には男が一人、川の中で逆立ちの格好で標識みたいに突き刺さっているのが見えた。
「そこの男か、狸と一緒にいたやつだな。引き上げて念のため監視ししておけ」
「盗まれたものは必ず取り返すんだ!いいな!」了解と何人かの狐が答えた。
ここまでしても捕まえられないのは予想外だった。この人数で、これほどの武器を用意してもダメなのか。しかし、あの一緒にいた男は誰なんだ。事前に仲間がいるとは聞いていない。だがそんな事は今更どうでもいい。今考えるべきは奴をどうやって始末するかという事だ。これで捕まえられないとなるといよいよマズいなと思った。
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