第13話:打ち切りに対して思うこと

寝る前に軽く近況ノートに書こうとしたんですが、近況ノートに書くには長くなりそうだったので、ここに書きます。


ここからは、丁寧語ではなく普段の文体で。


最近、『ロストエンブリオ~滅びの世界で魔女生活~』が奮わない理由なんかを、洗い出していたんだよね。


なんせ本当に奮わないもんだからさ。


考えていたことをちょっと書き出してみよう。


・話が重い

・主人公の心が折れる展開

・主人公が悩むことが多い

・主人公が負ける展開が結構ある

・主人公が一人で戦闘に勝利したことがほとんどない

・若干グロい描写がある

・結構エグい展開がある

・単純に長編を書く経験が不足している

・一人称視点を書く経験が不足している


まあ、人を選ぶ作品だということだよね。


経験不足に関しては、今後の課題。一人称に関しては短編では書いているけれど、これを書き始めたときは長編はおろか短編すら数年間全く書いていなかったから、本当に経験不足だった。


一番長くて、高校時代に書いた十万文字の小説だったからなあ。


一人称視点も、書いたことがほとんどなかったわけです。


経験不足は、しょうがない。実際に不足しているんだから、これは単純に今後どうにかすべきことという感じ。経験を積んでいこうね、という話で終わる。


プロットに関しては、好みの問題があると思う。


作劇の経験不足からくる下手さはともかくとして、人を選ぶ展開や設定に関しては好みの問題かなと。


それで思ったんだけど、Web小説ではあまり好まれないとされている設定と展開のオンパレードだ!


本作の主人公は強いんだけど、作中の強さでいうとトップではない。第一部終了時でも、上から数えて八番目くらい。


そのうえ戦いに向いている性格をしていないのと、戦う相手が相性が悪い人ばっかりなのとがあり、主人公一人で勝利するという展開が本当にない。これは意図的にやったことだけど、主人公が大活躍するのが見たいという人からしたら残念な点だろう。


以上、色々考えた結果……。


ま、いっか! という結論になった。


課題は課題として受け入れ改善していくつもりだけど、それはそれ、これはこれ。


伸び悩んでいるからと言って展開を変えるつもりは全くないし、打ち切るつもりも全くない。


ここからが、今回の本題。


Web小説における、「伸びないから打ち切り」という判断について思うこと。


伸びないから打ち切り、というのは商業だとよくあることだ。それは編集者や編集長、あるいはもっと上の人間が決めること。


商売だから、売れない商品を作り続ける理由が無い。


ただ、Web小説でそれを決めるのは作者自身だ。


僕は、作者が「伸びないから打ち切る」という判断をするのが、あまり好きじゃない。


別に悪いことではないとは思う。商業化を目指す場合は特に、伸びないなら打ち切って次の作品に手を伸ばすほうが効率が良いだろう。


だけど、寂しいなと思う。


なんというかね、登場人物が然るべき結末に至らず放置されるということを考えると、無性に寂しくなるんだよね。打ち切られた時点で時が止まったまま、置き去りにされるというのは寂しいし悲しい。


それに、僕は別に伸ばすために作品を書いているわけじゃない。


僕の創作のモチベーションというのは、自分自身の抱えているアレコレの発散だ。自分の抱えるあらゆる感情、思考、思想、性癖。それらを何かしらの形にしたいというのが、僕が小説を書く動機。


あとは、それらを形にすることによって自分の生きた証を残すという目的がある。人は生まれて死ぬだけの生き物だと思うところがあって、だからこそ自由に生きられるのだというのが僕が思う人生だ。人生には意味がないからこそ、自由だと思っている。


そんな人生観だからか、自分自身をどこかに残しておきたいという気持ちが強い。


もちろん、読まれたほうが嬉しいし反応があったほうが嬉しい。


独りよがりにならないように、読み手を意識して書いてもいる。


しかし、それはそれこれはこれ。


「大勢の人に読まれること」「伸びること」「偉い人の目にとまり商業化すること」は、僕にとっては創作の第一目的じゃない。そうなったらいいなとは思うけど、そうなるために書いているわけじゃない。


だから、僕はどれだけ苦戦しても、どれだけ奮わなくても、作品を完結させたいと思う。


エタらせてきた作品がいくつかあるから説得力に欠けてしまうけど、本音を言えばエタらせてしまった作品も完結させてあげたい。それが難しい理由が自分自身以外にあるから出来ないんだけどさ……。


自分の都合で、キャラクターたちを放置したくないんだよね。


本作は、このペースだと完結まであと4年はかかる計算だけどさ……。


もう既に4年かけてるんだから、あと4年かかるなんて屁でもないやな!




最後に、これを書くきっかけになった知り合いからの質問に答えよう。


「伸びない作品をなんでそんな苦労してまで書き続けてるの?」


答え:好きだから

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