第12話:休止してる理由と事の顛末
執筆を休止している理由と、その顛末について。
近況ノートにするには重すぎるし、だけど書かないと不義理な気がするし、悩んだ挙げ句ここに残しておくことにした。これもまた人生だ。珍妙な出来事だなあと、小説のネタにしようかなあと、笑いながら読んでくれれば嬉しい。
笑える内容かどうか、また、ネタになるような内容かは正直わからないけど。
僕は、自分では普通に生きているつもりでいる。普通じゃない人生だとは言われるけど、生きている本人は大真面目に普通にしている。
ただ、なぜか身の回りでいろいろなことが起こり過ぎている。
高校1年の頃のクリスマスイブに自殺した姉さんのことや、それより前に色々あって自殺した幼馴染のこともそうだ。みんなみんなドラマみてえな出来事ばかりで、僕という小市民の器では収まりきらないようなことが身に降りかかってきた。
九死に一生を得た回数は、数えるのをやめた。
僕自身は姉さんたちのこともあり自殺などする気はさらさらないのだけれど、死にかけた回数が異様に多い。まあ自殺に関しては厳密には「する気はない」というより、「できない」というのが正しいが。事後処理の大変さを知っている身としてはね。姉さんの遺言のこともあるし。
迷惑をかけないように山奥でとか言う人もいるけど、迷惑かかるよー。猟友会とかペンションの人とかが仕事そっちのけで捜索に駆り出されたりするよー。遺族はその費用を負担することになるよー。
迷惑を考えることができるなら、やめようね。
死にかけた話をすると、数年前は元カノの浮気相手に刺されかけて、もう少し遡ると逆恨みから刺されかけて、かなり遡ると……と色々だ。
治安悪すぎるだろ。僕が生きてる世界だけGTAか龍が如くか何かか。他にも車に轢かれかけることが多かったり、毒性の強い生物に絡まれることがあったり、ヤンキーに追い回されたり、フィリピンでカツアゲにボコボコにされたり……。
え、僕の人生おもろくない? もう僕の人生をノンフィクションで書いたほうが面白い作品になる気がしてきた。
なお、友達に関しては全員いい人で治安がいいので勘違いしないでもらいたい。彼ら彼女らは最高にいい人だ。最高、大好き。いつもありがとう。
ただ、なぜか治安が悪い人に絡まれることが多いという。
なぜなのか。
僕は別に昔ヤンチャしてたタイプの人間でもないし、裏社会に属しているわけでもないぞ。おかしいだろ。どこにでもいるようなコミュ障の陰キャオタクだぞ。
さて、本題に入ろう。
今回執筆活動を休むまでに至ったトラブルがある。
元カノの一人から、よりを戻さないかというバカほど身勝手な提案があり、僕はそれを断固として拒否してきた。人の嫌がることをたくさんした挙げ句、浮気をしてそれが僕にバレて別れた割ととんでもないタイプの元カノである。
実家付近まで来られることもあり、正直なところかなり不快感が募っていた。
だからついつい心のなかで拳をギリィと握りしめ、ファイティングポーズを取りまくってしまった。
それが神経を逆なでしたらしく、また刺されかけた。どうしてなの。
あ、今回もなぜか無傷です。悪運が強いね。
しかし、元カノ騒動はこれで一旦終わりだからまだいい。
問題なのは、次に起こったトラブルだ。
姉さんの実の両親が、ちょっかいをかけてきた。二人はとてもとても嫌なら奴で、子供時代の姉さんを「いない者」として扱った。
いない者として扱うというのは、ぶつかったときに「あれ? なにかにあたった気がするけど誰もいない……」とか「この服誰のだっけ? こんな服着る人うちにいたっけ?」とか、それくらいのレベルだ。
わかりやすく言えば、存在ごと無視されていた。
姉さんはそこから逃げ出して一人で歩いている最中に養父母さんと出会い、然るべき手続きの後引き取られた。かなり省略してるけど、引き取るまで結構大変だったと養父母さんから聞いたことがある。
姉さんの死後、その実の両親は「死んでくれてありがとう」とまで抜かした。
僕が知っている人間のなかで、一番終わっている人たちだ。次点は僕の父親。
逆に、僕が知る人間のなかで一番の聖人は、養父母さんだ。
姉さんの実の両親の「ちょっかい」の内容は、とてもじゃないけど文章にして残せるようなものじゃないので割愛するが、まあ終わっているとだけ言っておく。誇張抜きで、まじで終わってる。
姉さんのことを引き合いに出されると冷静じゃいられなくなるのが、僕の難点だ。自覚はあるけど、こればっかりは本当にどうにもならない。
だから一方的なアレコレにならず、毎回何かしらのトラブルになる。
彼らにされたことを書けるものだけ書こうかな。エグみを少しでも消すため、箇条書きで。
・金の無心をしてきた
・「お前のせいで~」と姉の死に僕が責任を感じてるのを知っていながら煽ってきた
・人格否定
・暴行
なお、僕は現在、無一文だ。僕はいつも原稿料入金日が近くなると無一文になるんだよね。
痛いところを突きながら脅しをかけて金をむしり取ろうとするその様は、ヤクザのようだった。怖くないというのを除けば。
というようなことが、今日あった。
うん、今日。
彼らは僕の人生にこれからも付き纏うんだろうね。正直なところ、僕という一人の人間の人生の記憶に、彼らは全く必要がないから構わないでほしいんだけども。
姉さんが生前、彼らに少しでも感情を残していれば違う印象だったのかもしれないけど、彼女は彼らに対して一切の感情を残していなかった。少なくとも、僕の目にはそう映った。
僕のことを本当の家族のように扱ってくれて、他の二人は養父母さんたちと一緒に家族を形成していた人だからね。幼馴染と呼んでいる鈴ちゃんもそこにいたけど、彼女はそういう義家族のような関係に躊躇いがあったから、鈴ちゃんのほうは実の両親に感情を残したままだったんだろうけど。
そういうわけで、僕の責任感や申し訳無さは姉さんの実の両親には全く向いていない。それなのに脅しの材料になると思っているのだから、滑稽だと思う。僕のその気持ちは、姉さんと養父母さんと自分自身に向いているものなのに。
まあ……。
こんな感じで、普通に平和に生きているつもりなのに、なぜかこういうことが身に降りかかるのが鴻上ヒロの中の人の人生ということらしい。
書きながら少し冷静さを取り戻した今考えてみると、かなり面白い人生だ。当事者だから元気が無くなったりイライラしたりするけど、第三者としてなら読みたいし面白いもんな、こんな人生。
少年編と青年編と大人編で大長編書けそうだね。
人生は、本当に珍妙不可思議だ。
僕自身はただのしがない貧乏フリーライターでしかないのに、劇的なことばかりその身に降りかかるんだから。
あの世があるとしたら、姉さんが一番楽しんで僕の人生を観測していると思う。多分、あの人は今の僕のこの状況を見てゲラッゲラ笑いながら酒を飲むだろう。あの人は、心配しながら大笑いできる人だから。
あの世の大切な人に一笑い提供できたと思うことにしよう。
しかし、そうは言ってもまだアレコレ精力的に動ける状態じゃないので、まだ休止は続く……。
忘れ去られないかが、心配だ。
あと、仕事が本当に滞っているから契約解除されないかが心配だ。
いつか、人生を綴った激重ガチエッセイでも書いてやろうか。時間と精神力と体力がいくらあっても足りないと思うけど。
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