「スイカがドタキャンしたーっ？」

事務所で数の子があわてふためいて

スタッフの電話をとった

「さがせ、さがせ！地の果てまでも

どこまでもさがせーっ。全国紙名手配

だーっ！ッくそーっオレは首吊りだーっ」

数の子が地団駄踏んで悔しがり

オトコ泣きに泣いた。

「どうする、これから、スイカ？」

熱海の駅前で村路が腹を空かせながら

スイカに泣きついた。

「知らないわよ！アンタ男でしょう？

もとはといえばアンタのせいなんだから

なんとかしなさいよ」

「なんとかっていっても。よしあれだ」

村路が旅館の客引きを見てスイカに叫んだ。

「そう、とうとうわたしのためにやる気になってくれたのね」

「スイカがやるの」

「ゲッ！わたしにやらせる気」

スイカがあきれ果てて村路を見た。

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