第8話
「村路、どうしよう?」
わたしは喫茶店で恋人の村路に泣きついたの。
「どうしようっていってもなあ」
村路は腕組みしながら唸っていたわ。
暫く二人の間に重い沈黙があったの。
「もとはといえば、アンタのせいじゃない。
なんとかしなさいよ」
「悪かったよ。オレもまさかこんな大ごとに
なるとは思っていなかったんだ、スマン」
村路が頭を下げた。
こんなダメ男でもわたしは好きになった
弱みであまりそれ以上追求できなかったの。
「逃げよう」
「へっ?」
「2人で恋の逃避行。熱海か白浜あたりがいいかな」
「って、国内?」
わたしはそれもありかなあなんて
考えたわけ。
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