第7話
「全部、予定をキャンセルしたいって?」
「はい」
わたしはもうしわけなくおもいながらも
数の子にそう打ち明けたの。
「はい、そうですかって、いえるかーっ!
スイカちゃん、わかってるの、自分の
立場が」
「はい」
「コンサート会場のキャンセル料だけでも
莫大な金額になるんだよ、払える?
スイカちゃん」
「いえ」
「それじゃあ、歌おうよ、スイカちゃん。
悪いようにはしないから」
「ウウっ、ウウっ」
わたしは号泣した。
「スイカちゃん」
数の子の声が遠くで聴こえたわ。
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