第7話 ♮想い出♮

 この場所は、懐かしい…子供の頃だ。ここにあったパン屋さん。何か強烈な名前だった。忘れたが…



※【ほら、いつもの買ってきてよ。今、お母さんとても忙しいんだから、はい500円】※


※【はーい】※


※【返事ばかりじゃなくすぐにね】※


※【うん、解ってるよ。靴…あっ痛!!!痛い!!!】※


※【どうしたの?早く行ってきてよ】※


※【🐝蜂が〜小指〜痛い!!!】※


※【🐝蜂?何いってんの?この忙しいのに…】※


※【………行ってくる………痛い…】※



こんなやりとりをしていたな。


この頃は消費税は無く、表示金額で買えた。


 それと、本当に靴を履いた時に小指を刺されたのだ。このあと白くプツっとなってるのをみせた。母親はここで始めて俺の言ってることを信じたのだ。普段も嘘なんて言ってないが…この時は痛かった。靴の中を見たら大きな🐝蜂が…母親はぞっとしたと。



 ここは普通の戸建てがある。もうパン屋の姿はない。道は変わってないから地形的には間違いない。



 俺は過去の思い出を振り返る。このことが、何気ない想い出がとても癒やされる。



 ここに生まれて、ここまで生きてきたことを振り返ることが必要だと感じている。



……………………………………………………………



 ここは大好きな娘がいた家だ。小学生の頃だ。子供だった俺は素直になれなくて、ちょっかい出して…情けない。



 名字は変わっていない。でも結婚してもう家には住んでいないだろう。不思議と子供の頃の俺と重なる。



※【あの〜何か御用ですか?】※


【あっ、いえ、すみません。この近くに住んでいて懐かしいなと思って。失礼します】


※【もしかして…◯◯くん?そうだよね?同窓会のハガキに私の携帯番号書いて送ったよね?もう実家に住んで無かったの?見てないよね?同窓会盛り上がったんだよ。今度は是非来てよ…って言えたら、素敵な未来あったら、良かったのに…ね】※


【俺、変わってない?そんなすぐに解った?】


※【解るよ、面影おもいっきり残ってるもん】※


【そうなんだ…同窓会行かなくてごめん。ハガキ見たんだけど、電話できなくてさ】


※【仕方ないよね、携帯に電話してなんていきなりは無理だよね〜ねっ、こんなことになってるんだけど同窓会企画したら来れる?】※


【うん、是非参加するよ。今度こそはね】


年甲斐もなくドキドキ、初恋の人だったからね。









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