第16話 勉強会本番①

 葉月と2日連続で一緒に寝たあとは何事もなく時間は進んでいった。

 まぁ、少し変わったことがあるとするならば、屋上で昼食を食べる時に火憐との距離が近くなったということぐらいか。いい匂いもするし、胸もあったっている気がするが、気にしたら負けだ。


 女性はそういうのに敏感だと言うので俺は胸を見ないようにできるだけ、顔や目を見るようにしている。

 それでも、普通に気まずい。だって顔めっちゃ可愛いんだもん。


 これが自分の幼馴染っていうんだから俺も鼻が高い。


 しかし火憐からのアプローチはあったけど、碧からは何も無かった普段通り、放課後に少し喋るくらいだった。



 ◇



 そして、土曜日を迎えた。事前に俺の家の住所は伝えておいたので、2人ともしっかりとこれるだろう。

 それに、ちゃんと母さんからの許可もとった。


 女の子が来るって言ったら「やっとね…」とか言ってたけど、気にしないで大丈夫だろう。

 まぁ…懸念点があるとするならば葉月だろう。そのことを伝えたらムスッとしていたからな。


 そんなことを考えていると、集合時間の10時になっていた。

 それと同時に家のチャイムがなる。どうやら来たみたいだな。


 俺は玄関へと向かい、玄関のドアを開けた。


 ―――そこにいたのは普段の制服姿とは異なる私服姿のとても可愛い2人だった。


 俺はつい2人に見惚れてしまっていた。碧は肩出しスタイルで、しかもスカートは短め。そのきれいな太ももがチラチラ見える。

 うん…これは思春期男子の目には毒だ。それにジロジロ見られるのも嫌だろう。絶対見ないようにしよう。


 火憐は思っていたよりも普通だ。白のワンピースでめっちゃ清楚って感じがする。赤い髪と白いワンピースのコンボはとても見惚れてしまう。というか、胸がやばい。破壊力がありすぎる。

 これも思春期男子の目には毒だ。これも絶対に見ないようにしよう。


「ねぇ…村雨くん。そんなジロジロ見てないで何か言うことがないかしら? 」


「あっ…はい。とても綺麗です…。」


「ふふ、そうでしょ? 自慢じゃないけれど私って綺麗なんですよ」


「響也! 私にもなんか言ってよ! 」


「あぁ、そうだな火憐も綺麗だよ」


「言わされてる感半端ないんだけど! 」


 そう言って火憐はぷくーと頬をふくらませている。可愛すぎるね。


 そういえばまだ玄関だったな。玄関で待たせてるのも悪いしさっさと俺の部屋に向かおう。


「立ち話もなんだし、さっさと俺の部屋に行こうか」


「ええ、そうね。お邪魔するわ」


「私もお邪魔します」


 俺達は俺の部屋に向かうことになった。俺の部屋に向かう途中のリビングで葉月がこちらを睨んでいる。めっちゃ怖いんだけど。葉月ってあんな顔できたんだ。って感心してる場合じゃない、早く俺の部屋に向かわないといけないんだった。


 葉月に睨まれながらも俺達は俺の部屋に着いた。

 なんか一気に不安になってきた。女子を自分の部屋に入れるなんて母さんや姉さん、葉月でしかなかった事だし。俺ちゃんと部屋綺麗にしてたよな?


 そんな俺の不安とは裏腹に彼女たちは早くてと言わんばかりにこちらを見ている。ここまで来たならどうにでもなれ。

 そうして俺は俺の部屋のドアを開けたのだった。


「へぇー男子の部屋に入るのは初めてだったけど意外と綺麗にしてるのね」


「うん…私も意外だよ」


「おい、2人ともそれって俺にも世の中の男子達にも失礼だろ」


 俺がそう言うと彼女たちは笑った。ちくしょうかわいいな。なんでも許してあげたくなる笑顔だ。いやいや違うだろ。彼女達は勉強会をしに来たんだ。


 とりあえず俺達は、俺の部屋にある机にそれぞれの勉強道具を広げ、床に敷いてある座布団に座った。


 こうして俺達の勉強会は始まった

 やっぱりというかなんというか2人は名門と呼ばれる霧宮学園に受かっているだけあってとても頭が良かった。

 え…? お前も受かっているんだから頭はいいはずだろって? 確かに俺も受かってはいるが、それは血の滲むような努力をしてきたからだ。

 別にやりたいことがあったとかそういうわけではない。俺の力でどこまで通用するのか試したかっただけだ。


 俺は別に容姿も運動能力も特段と優れているわけではなかった。けれど、勉強は違う。勉強はやればやるほど知識が身について、近い将来自分のためになる。だから俺は血の滲むような努力をした。


 しかし、痛感してしまう。上には上がいる。血の滲むような努力をしても追いつけない天才と呼ばれる人たちがいる。――彼女からがきっとそうだ。


 バカか俺。卑屈になるな。確かに俺じゃ彼女達に届かないかもしれない。けれど彼女達はそんな俺でも慕ってくれいるんだ。


 ほんの少しでもいい。俺は彼女達に釣り合うような男にならなければいけない。

 ならもっと気合を入れなければならない。そう思い俺は自分の頬を両手で力強く叩いた。


 彼女達はびっくりした表情でこちらを見ている。

 

「大丈夫だ。ただ少し気合いを入れようとしただけだからね」


 彼女達はホッと胸をなでおろした。


 俺にとってはここからが勉強会本番なんだ。気合いも十分に入れたし、俺のためにも彼女達のためにも頑張ろう。





 ―――あとがき―――

 どうもにんじんさんです。

 もう少しで2000PVにいくらしいですね。嬉しい限りです。

 そしてやっと勉強会が始まりましたね。ちょっと長引かせすぎたかもしれない。許してヒヤシンス。

 最後に今週は忙しくてちょっと更新出来ない日が多くなるかもしれません。そこら辺はご了承ください。

 今後も頑張りますのでもし面白いと感じたらフォローや☆、感想を書いてくれるとモチベに繋がります。

 至らぬ点などがありましたら、その報告もしてくれるとありがたいです








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