第14話 勉強会の計画と妹
2人と別れて家に帰り、夕食の時間や風呂を終えて、自分の部屋でゴロゴロしている時だった。
いつの間にか作られていた俺、碧、火憐のグループに『勉強会について…』というメッセージが送られてきていた。
俺は
『できるなら土日のどっちかがいい。2人はどうだ? 』
というメッセージを送った瞬間に既読が2ついた。あまりにも早すぎる反応に俺は内心恐怖していた。
そうしていると早速返事が返って来た。
『私も、土日のどっちかだと助かるわ』
『響也がいいならいつでも』
碧はまだまともな返事だったのだが、火憐から来た返事はどこかおかしい。まぁ、いっか。
そういえば、こうやって誰かと連絡を取り合うなんて家族と以外にやったことがなかったから新鮮だな。
そんなことを思っていると、いきなり俺の部屋のドアが開いた。入ってきたのは妹の葉月だった。
「なんか…お兄ちゃんから女の匂いがする」
そう言って葉月は俺を睨んできた。というか俺の知り合いの女子は女の匂いをすぐに嗅ぎ取るな。普通に考えて怖い。
「お兄ちゃん…私にもかまって…」
そう言うと葉月は俺のを太ももへとダイブしてきた。そして、撫でろと言わんばかりにこちらを見てくるので、撫でてあげることにした。
葉月を撫でながら、俺はメッセージを送る。
『俺はできれば土曜日がいいんだが、2人共大丈夫?』
またしてもすぐに既読が2ついた。 やはり早すぎる。しかも、今回は返信もはやかった。
『私は全然大丈夫よ』
『私も全然平気だよ。というか、勉強する場所と時間はどうするの? 』
まさか火憐に言おうとしたことを先に言われるとは思わなかったな。それにしても集合場所か。どうしようか?
『そうね…村雨くんの家なんてどうかしら? 』
『夕凪さんにしてはいいこと言うね』
俺が悩んでいる間になんか俺の家でやることになってないか? さすがに大丈夫だよな?
『じゃあ…村雨くんの家に10時集合ってことでいいわね? 村雨くんの意見は聞かないわ』
『うん! それがいいね。さすが夕凪さん』
なんかおかしいな? 俺の意見なしに勝手に俺の家でやることになっているんだが? しかも、2人共結託してやがる。これはもう何言ってもだめだなよし諦めよう。
そして俺は
『…わかった』
と送り携帯をそっと閉じた。
「やっと終わったんだねお兄ちゃん」
と俺に膝枕されながら撫でられている葉月がムスッとした表情で言った。
「お兄ちゃんが私達家族以外と連絡を取るなんて珍しいね」
「別にいいだろ? 俺だって友達の1人くらいはいる」
「ふーん…なるほど女ね…」
「……」
「その沈黙は肯定と捉えていいんだよね? お兄ちゃん」
どうしてこうも察しがいいのだろうか? やはり女の勘というやつなのだろうか?
それにしても良くわかったな。ただ連絡を取るなら男だっていう可能性だってあるのに…。それも含め女の勘なんだろうな。
「昨日は私と一緒に寝てくれたのに私じゃなくて他の女を選ぶんだ? 」
「葉月お前は何を言っているんだ? 俺達は兄妹だぞ? 選ぶも何もないだろう」
そう言った俺に葉月は頭突きをしてきた。しかも
「お兄ちゃんなんてもう知らない! 」
そう言って葉月は部屋から出て行ってしまった。
俺はなにか間違ったことを言っただろうか? 俺の事を兄として好いてくれている分にはいいんだが、葉月は度が過ぎている。それに、葉月だけじゃない姉さんもだ。
そんなことを考えているとまたしても勢いよく俺の部屋のドアが開けられた。
「響也。葉月を泣かせるとは何事だぁ? 」
そう言って姉さんが入ってきた。どうしてうちの姉妹たちはいきなり俺の部屋に入ってくるのだろうか? 俺のプライバシーを大事にして欲しいものだ。
「別に…なんでもないよ」
「なんでもないことは無いでしょ? どうせ響也がなにかやらかしたんでしょ」
姉さんは呆れた顔で言う。
「後でちゃんと葉月に謝っときなさいよ。あれでも響也と私の可愛い妹なんだから」
言いたいことを言ったからだろう。姉さんはすぐに部屋から出ていった。
俺自身悪いことをしたとは思っているので、謝るのは別に構わないのだが、俺達は兄妹であり家族だ。葉月を選ぶことなんてないだろう。
本当に困ったものだ。葉月のことそれに勉強会のこと。
今の俺には多くの問題がある。今のままじゃあダメだ。
しっかり気合いを入れよう。まずは葉月に謝るところからだ。
気合いを入れた俺は葉月に謝りに行くことにした。
―――あとがき―――
どうもにんじんさんです。
またしても妹関係の話になってしまいましたね。しょうがないよね。だって妹は可愛いもん。でも、このままじゃ妹がメインの話になってしまうので少し自重します。
次回こそはちゃんと勉強会について書きますよ。多分ね…。
それと1500PVまであと少しなんですよね。本当に早い。あっという間ですよ。皆さんありがとうございます。
今後も頑張りますのでもし面白いと感じたらフォローや☆、感想を書いてくれるとモチベに繋がります。
至らぬ点などがありましたら、その報告もしてくれるとありがたいです。
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