第7話 女子は怖し

 俺は昼休みが終わる5分前のチャイムが鳴ったのを聞き、屋上から立ち去ろうとした時だった。俺は宮野火憐みやのかれんに裾を掴まれた。俺が驚くのは当然のことなのだが、彼女も驚いた顔をしている。


「どうかしたの…? 」


 俺はそう問いかけてみる。そうすると彼女は意を決したかのように答えた。


「また…来てくれますか? 」


 彼女の俺を見つめる目が眩しすぎて俺は「はい」と答えることしか出来なかった。その時の彼女の顔は一生忘れられないような気がした。あの無邪気な笑顔に俺は惹かれてしまっていたのだから。


 彼女と別れた後、教室へ戻る途中、俺は彼女のことで頭がいっぱいだった。聞き覚えがあって思い出そうとしているのもそうなのだが、やはり彼女の別れ際の顔。あの顔がどうにも忘れられない。なんだか懐かしい気持ちにさせられる。


 それから教室に戻った俺は何事もなかったかのように午後の授業もこなしていった。 




 ―――――――


 

 前にも話したと思うが放課後になると、教室に残って騒いでるやつが多くいるので俺は皆がいなくなったのを見計らって教室から出るようにしている。


 今日は昨日のようにうっかり寝てしまうなんてことがないようにしっかりと起きていた。


 夕凪碧ゆうなぎあおいはまだ教室にいる。皆がいなくなるまでは暇だったので俺は本を読むことにした。


 読書を始めてからいくらか時間が過ぎたとき、教室には俺と夕凪さんしかいなかった。彼女もそれに気づいたのか俺の方に近づいてくる。――無邪気な子どものような顔で


 今日も彼女が来たことに驚きつつも、俺は彼女のことを受け入れていた。彼女は近づくなり不満そうな顔で言った。


「ねぇ…村雨くん他の女の匂いがする」


 俺はとても怖くなった。彼女の目はこちらをしっかりと捉えている。言い逃れなどできない俺はそう悟った。


「昼休みにちょっとな…」


「ふーん…私とは食べてくれないのに他のことは食べるんだ」


「できるなら俺もそうしたいんだけど夕凪さんは人気だから俺が独り占めするのは違うというか…」


「へぇ~私を独り占めしたいんだ」


 さっきの不満そうな顔から一変して嬉しそうな顔をする彼女に俺はドキッとしてしまう。宮野火憐とのことがあったばかりなのに、俺は自分が女子の笑顔に弱いということを知ることになった。


 それから彼女と他愛もない話をしていたのだが、ふと気づく。時計の短針は6時を指そうとしていたのだ。そして朝の会話を思い出す。それは――妹との約束。


 早く切り上げなければと思い。俺は彼女に言った。


「夕凪さんごめん…この後用事があるから帰らないといけないんだ…本当にごめん」


「そんなに謝らないで、私は大丈夫だから」


 彼女は笑顔でそう言ってくれた。


「いや…でも」


「もう私は大丈夫って言ってるでしょ? 」


「わかった…この埋め合わせは今度するから」


「うん! それでよし。あ…あと連絡先交換しない? 」


 彼女の提案に俺は少し驚いたもののそれを快く受け入れた。家族以外での初めての女子の連絡先。だが、それを喜んでいる暇は俺には無い。


 彼女との連絡先を交換し終えた俺は急いで教室から出る。彼女の嬉しそうな声が聞こえてくるが今は気にしていられない。早く帰らなければ。



 

 ―――――――


 

 急いで帰ったため。家に着くのにはそこまで時間がかからなかった。家に着いたことだし楽しみましょうか。――妹絶対時間シスター・エンペラータイム







 ―――あとがき―――

 どうもニンジンさんです。

 気がつけば250PV感謝です。次回は私が待ちに待った妹回です。妹ってね本当に可愛いんですよね。しっかりと妹の良さが伝わるように私も頑張らなくてはね…。

 今後も頑張りますのでもし面白いと感じたらフォローや☆、感想を書いてくれるとモチベに繋がります。

 至らぬ点などがありましたら、その報告もしてくれるとありがたいです。













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