第4話 朝の戯れ

 今、俺は眠れずにいた。理由は言うまでないが言っておこう。絶世の美少女である夕凪碧ゆうなぎあおいなんて呼ばれたり、ド直球にだなんて言われたからだ。姉さんとの件は絶対に含まれてない…俺はそう思いたい。


 そりゃ誰でも寝れなくなるだろ。今、思い返しても恥ずかしい。どんどん顔が赤くなっていく。今彼女も同じく悶えているのだろうか? そんな事を考えているといつの間にか俺は眠りについていた。


 


 ◇




 気がつけば朝。耳をつんざくような音の目覚ましを止め。俺は再び布団に潜る。昨日なかなか寝付けなかったせいか、非常に眠いのだ。二度寝してもバチはあたるまいと目を瞑った瞬間だった。


 とてつもないスピードて俺の部屋に向かってくる足音がする。そんなもの無視して寝ようとするも、俺の部屋のドアが勢いよく開けられた。


「おっきろーおにーちゃーん! 」 


 また、うるさいやつが来た。姉といい妹といいうちにはうるさいやつしかいないのかそんなことを思いつつ重い腰を上げ起き上がる。

 妹の名前は村雨葉月むらさめはづき――元気いっぱいでかわいい。中学生にしては整ったスタイルをしており姉さんよりも胸がでかい、少しだがそれもまたいい。


「お兄ちゃんご飯できてるよ」


 と葉月は言う。二度寝を邪魔された俺はちょっとイラついたので意地悪をしてみる。


「そっか…じゃあいただきます」


 と言い。葉月の柔らかい腕に優しくかぶりついた。葉月は急なことに驚いたのか「キャー」叫び、俺を振りほどいて部屋から出ていってしまった。少しやりすぎたかもしれない。まぁ、それも兄妹の戯れって事で許してもらおう。


 葉月に言われた通り、朝食を食べに1階へと向かう。リビングでは既に俺以外の全員が集まっていた。うちでは家族全員が集まらないとご飯が食べられないという謎な家族ルールがある。母さんが言うには家族でのコミュニケーションをしっかりとるためだそうだ。


「「いただきます」」


 と皆揃ったのでそれぞれが口にする。朝食の始まりだ。


 葉月は怒っているのか俺をずっと睨んでくる。これでもちょっとやり過ぎかなって思ってるんだぞ。お兄ちゃんそんなに睨まれたら悲しい。そんなことを思いながら葉月を見てるとぷいっと目をそらされた。


 コミュニケーションをとるため各々が自分の学校や会社での出来事などを語る。

 

 そんなこんなで俺はご飯を食べ終わり、学校へ行くための準備として洗面台へ向かう。そこで葉月と会った。


 葉月はまだ不満そうな顔でこちらを見ている。さすがに謝ったほうがいいよね? 


「葉月…兄ちゃんが悪かった許してくれ」


 と俺は謝る。葉月はまだ怒ってふんすっとしている。かわいいな。じゃなくて、どうにかして許してもらわなければ。


「わかった…お兄ちゃんを許してあげる」


 意外な言葉に俺は驚く。葉月は続けて言った。


「今日…お兄ちゃんがなんでも言うこと聞いてくれるなら許す…」


 これまた意外な言葉が飛んできた。そのくらいのことで許して貰えるならと俺は答える。


「よし! 今日の俺は葉月のものだ! 」


 そう言うと葉月は「…ふへへ」嬉しそうに笑った。一時はどうなることかと思ったが仲直り出来たみたいで良かった。


「お兄ちゃん今日は私のためにに早く帰って来てね」


 と念を押すよう葉月は言ってくる。ここはお兄ちゃんとしてしっかり答えないと思い


「もちろんそのつもりだよ」


 と答える。


 そんな会話をしていると、学校の時間が近づいてくる。このままじゃ遅刻コースだ。葉月との会話を切り上げ急いで家を出る。


 ――「いってきます」と





 ―――あとがき―――

 どうもニンジンさんです。

 気づけばもう4話らしいですね。無我夢中で書いているので早く感じます。話は変わりますが100PV感謝です。見てくださった方々有難うございます。

 今後も頑張りますのでもし面白いと感じたらフォローや☆、感想を書いてくれるとモチベに繋がります。

 至らぬ点がありましたら、その報告もしてくれるとありがたいです。

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