第20話:転生初日エクストラステージ?
「い、異世界、たた、楽しんでるようで、な、な、何よりなんだな」
「ヒギャァァぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!?!?」
「ひでぶっ!?」
あ、まずい、つい勢いで手が出ちまった!
そう思った時にはもう遅い、多分神様(いきなり目の前に現れたから確認できなかった)らしき人物を思い切り殴り飛ばしてしまった。
そして神様はそのままジャ◯プ漫画のやられた時みたいにそれはそれは無駄に綺麗なフォームで吹っ飛んでいった。
……どうしよう。
いやそれにしたって吹っ飛びすぎじゃね?俺、そんな筋力あったかなぁ?実は俺には秘めた力があったとか?
思わず拳を見つめる。うん、絶対にねぇな。こんな細腕の一体どこにそんなパワーがあるというのか。そこで今の自分の格好に気づいた。
黒のレオタード?に網タイツ。太もも部分がめちゃ艶めかしい。で、腕にはオマケ程度に裾?の部分だけついてる。うわ、胸の谷間エッロ!あ、尻部分に白いフワフワついてる。ってことは……やっぱり。ウサ耳のカチューシャ。
なんで俺バニースーツな訳?普通に恥ずかしいんですけど。
あとここどこ?なんで俺こんなところにいるの?
「い、い、いきなりひどいんだな!」
「うわぁ!?」
さっき地平線の彼方までぶっ飛ばした神様がいきなり現れればそりゃあ驚く。心臓に悪い。
てかどうやって戻ってきたんだ?いや、神様ならなにかしらそういう手段持ってても不思議じゃないけどさ。
そんでもって神様のお怒りにはこちらだって反論したい。
「いきなり視界いっぱいに見慣れない顔があればああなったって仕方ないです!」
「ああ、そ、それはす、す、すまなかったんだな」
「次からは気を付けてくださいよ」
次があるかどうかは疑問だけど。言ってから気づいたけど。
「わ、わかった。き、ききき、気を付けるんだな」
あるのか。
「あ、いや、つっ、次は、ななな、ないかも、し、知れないんだな」
ないんかい。どっちなんだい。
「ボ、ボクはこ、この世界の神じゃあないから、あ、あんまり、干渉で、できないんだな」
「ああ、そうなんですね」
やっぱそういうルールみたいなのあるんだ。
「そ、それでこ、今後あまりこ、コミュニケーションが、と、とれなくなるから、そ、そそ、そうなる前に、は、話をしにき、きたんだな、うん」
「え、そうなんですか?ありがとうございます、それは助かります」
実際、とてもありがたい。そりゃあもう神様に言いたいことも聞きたいこともツッコミたいことも一杯あるのだ。
でもまず最初に、まずはどうしても、あれのことを聞きたい。
「じゃあ最初の質問です。あそこで俺と同じ格好で正座させられてるのって」
俺の視線の先には、俺と同じバニーの格好で正座をさせられている女神エルメリア。感想としては、さすが女神だけあって似合ってる。まあ胸の辺りはちょっとボリューム少なくてずり落ちそうで怖いけど。どれくらいああしてるのか知らないけど、すごくプルプルしてる。あ、こっちに気づいた。
「あ、あれは、お、お仕置き、なんだな」
「お仕置き?」
いや、なんでここにいるのか聞きたかったんだけど、ま、いいか。
「ボ、ボボボ、ボクの頼みをわ、忘れてたのと、き、君を放置したことへの、ば、罰なんだな」
「反省してます!だから許してください!米原もお願いぃ」
「じゃあ仕方ないですね」
「ちょっ!?嘘!?お願い助けてぇ!」
「反省してくださいね?」
「米原は私に悪戯したじゃない!あれ許したんだし翻訳スキルもあげたんだからからチャラでしょチャラ!」
「翻訳スキルは感謝してます。けど、こっちは仮にも死にかけたんですよ?」
「うぐっ」
そう、あの時雀に助けてもらえなかったら、俺は確実に死んでた。
まあ事実助かったから、そこは多少の恨みで済んでるけど、思うところは他にもある。
「それに私、まだエルメさんに謝ってもらってないです。会っていきなり「あんた誰?」で始まってギフトをばらされた挙句におにぎりよこせですし」
「うぐぅ」
今思い出してもひどいと思う。なのでその辺も含めてたっぷり反省してください。
「ご、ごめんなさい、悪かったと思ってるから、もう、正座から解放してぇ」
よっぽど正座が堪えてるらしい、エルメさん結構切実だな。
まあ日本の神様ならまだワンチャン?それが異世界の神様なら正座なんてする機会まずないだろうし、これ思った以上に罰になってるのかも。
「エ、エルメ、ど、どどど、どういうことなのかな?」
「え?あ……」
「ボ、ボボボ、ボクはそ、その辺、な、なにも聞いてな、ないんだな?」
悪い顔色がさらに悪くなったような気がするエルメさん。神様笑顔なのに超怖ぇ。
「あ、えーと」
「ば、ば、罰の追加なんだな。ら、雷切」
エルメさんが釈明しようとする流れをぶった切る神様。で、雷切って何?
「チュン!」
「え?雀?」
お前なんでいるの!?てか名前あんの!?しかもかっこいいし。
って俺が驚いてると、雷切と呼ばれた雀が女神の足元に飛んで行って止まった。あれ、もしかして、やるの?ちゃっちゃうの?
「え?鳥、ちょっと待って。何でそんなところに止まるの?もう嫌な予感しかしない……」
「お、お、おしおきだべー!なんだな」
「チュン」
ガスガスガスガス
「ぴゃああああああああああああ!」
痺れてるであろう足をつつく雀、雷切。
「ぶはっ!」
いかん、失礼だと思ってはいるけど面白すぎる。こういう時の雀は容赦がないぞ、テレサさんの時もそうだったし。
ていうか神様、そんな台詞どこで覚えてくるんですか?
「ぴああああああああああああ!!」
「ぷふっ、あは、あははははははははは」
もーだめ、笑うの堪えるの我慢できない。悶える女神様がおもしろ可愛すぎる。
「さ、さて、あ、あっちは放っておいて、は、話をつ、続けるんだな」
「いや、却って気になりますよあれ。ぶふっ」
笑いのツボが違うのか、笑わない神様。いや、微笑みというか、笑顔ではあるんだけども。あと横であんなコントじみたことになってるのに話に集中できる自信ないよ?
「そ、そう、じゃ、じゃあお仕置きは、は、話が終わるまで、一旦保留な、なんだな」
神様がそう言うと、容赦なく足をつついてた雀はつつくのをやめ、こっちに向かってきて神様の肩で止まった。どうも知り合いっぽいな。
「さ、さて、こ、今度こそ、は、話を、つ、続けるんだな」
「はい」
神様の言葉にうなずく俺。さて、何から話そうか。
それ絶対うまいやつだろ!?~死ぬ間際におにぎり食べたいって願ったら、TSしておにぎり作る能力つけらて異世界へ放り込まれました~ 茜空 @hikarigoke
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