第5話国を目指して

「それでは勉強のお時間、の前に」


「なに、急にこっち見て」


「髪を切るから顔を出せ」


「へ?」


「早く出さないと顔に傷がつくぞ」


「あ、ごめん!すぐ出す!」


 ︎︎そう言いすぐに顔を出した


「目に髪が入ると痛いだろ、目閉じとけよ」


「わかった」


 ︎︎ソラは勢いよく目を閉じた


「力入りすぎてる緩めて」

「長さ、どのくらいがいい?」


「レイと同じくらい」


「分かった」


 ︎︎僕は若干目に被るくらいの長さだ、もちろん魔法アイの効果が切れた時に、相手から見えにくくするための対策の為だ




「お前って、顔いいよな」


「お前が言うな」


「僕は顔良くても見た目のせいでモテねぇーんだよ、あとモテても顔で来たやつの相手なんてしたくねぇーよ、男でも女でも」


「俺はこれまでがあれだったからな、一回くらいチヤホヤされてみてーよ」


「めんどいぞ」


「それでもだよ」





「それじゃ勉強するぞ 」


「そういやどうやって?」


「地面に書く」


「なるほどな」


「文字や数字はかけるのか?」


「いつか逃げてやるつもりだったからな、文字と数字は盗み見とかしながら言葉通り本当に死ぬ気で覚えた」


「おーじゃあわざわざ教えなくていいな」

「始めるぞ 」





「お前物覚えいいなー」

「教えやすくて助かるよ」


「いや、お前教え方上手すぎだろ・・・」


「そうか?」


「兄弟の盗み見していた授業の何倍もわかりやすい、正直分からないだろうと思ってたから驚きが止まらねぇーよ!」


「まあ分かりにくいよりはいいよ」

「思ってたより早く終わったから剣やるぞ」


「え、俺移動で体力もうないんだけど」


「基礎を体に教え込ませるだけだからそこまできつい訳では無い、早めにやっておいた方が後々助かるのはソラだぞ」


「剣取ってきました」


「行動はやいなー」




「基礎はこんな感じだけどどのくらいできる?」


「半分は、覚えました」


「じゃあ今日はそれをやっておけ、終わったら体拭いて寝ろよ、明日も早い自主練したら殴る」


「了解」






「ここがベルツ王国かー」


「・・・・・・・・」


 ︎︎入国するための列に並ぼうとしているとソラは無言でこちらを見ていた


「どうした?もう人酔か?」


「いや、まるで別人すぎて引いてます」


 ︎︎今僕は魔法薬で髪色をソラと同じにし、右目の色に統一するように左目だけに魔法アイを入れている、ちなみに魔法薬は一振で1週間色を、変えることは色は魔力を髪から無くすと取れる

 ︎︎魔法アイは一ヶ月効果があるので便利だ、そのまま寝ても問題ない

 ︎︎そしてソラが引いている一番の理由は化粧だ

 ︎︎だいぶ中性的な顔立ちを男らしくなるようにし、腕には本物の傷をつけ包帯を巻き、顔には怪我をしたように見えるよう、ガーゼを貼った


「女は化粧で化けるって聞いたことあるけど、化粧を甘くみてた、怖すぎる」


 ︎︎ボソボソと何か言ってるけど聞こえてるんだぞソラくんや


「ソラ、兄として扱うのを忘れないように」


「分かってるよレイ兄ちゃん」


「この国で僕が人に話す内容に合わせろよ?身分を偽ったことで犯罪者扱いはよくあるからな、気をつけてくれよ」


 ︎︎そんなことを話しているうちに次は僕らの入国審査の番だった


「次!こちらへ来なさい!」


「はい」


「この国に何をしに来た」


「旅の途中の食料品や日常品を買いに来たのと、度の資金稼ぎのため冒険者として半月ほど働こうと思っています」


「親は?」


「・・・もう、いません・・・」


 ︎︎辛そうな顔をしながらソラを気遣う振りをした


「すまない、酷なことを聞いたな」


「いえ、」


「知り合いは?」


「いません」


「ギルドカードはあるのか?」

「あるなら見せてくれ」


「はい」


「その歳でDランク、すまないな」

「ギルドカードがあるから君は通行料免除で、弟君の分で銅貨2枚だ」


 ︎︎銅貨1枚が小さいパン半分くらいだの値段で、あの街を出る時は銅貨1枚だった街が国になったのにこれだけしか変わらないので結構安いと感じだ


「ソラ、この国にいるうちにギルドカード作っておこうか、通行料が安くなる」


「作る時の値段は?」


「銅貨15枚」


「そっちのがお得?」


「まあ行く国や街の量考えたらね」


「分かった、とりあえず宿屋探そ」


「ソラくんしっかりしてるねー」


「お金出してもらってるからこのくらいは」


「頑張ってくれたまえー」


「ではソラくんいい宿屋の情報収集任せたよ」


「えー仕方ないな、食料品任せたよ」


「ういーまかせろー」


「任せたくない返事してるー」


「人脈作りも任せとけって感じしてるぞー?」


「それは上手そうだし任せる」


「じゃあ2時間後この場所で」


「了解」








「遅いよレイ兄ちゃん」


「ソラが早いんだよ」

「決まった?」


「うん、ベット2つの1部屋取っててもらってるから早く行こ」


「あいよー」





「おっちゃん!兄ちゃん連れてきたよ!部屋の鍵ちょうだい!」


「坊主!焦るなまずはご飯とかの相談から入るんだよ!」


「こんにちは」


「兄ちゃんは落ち着いてんね、ご飯はどうする?あるとないとで値段変わるからな」

「あ、昼は用意できないからな」


「ソラ、僕が作るのとここで食べるのどっちがいい?」


「兄ちゃんの!」


「分かった」

「欲しい時って追加料金その場で出したら用意してくれますか?」


「ああ、大丈夫だよ」

「朝はその前の日、夜はその日のお昼までに言ってくれれば作れるからそこは分かっといてくれ」


「はい、半月でいくらですか?」


「銀貨15枚だ」


ちなみに銀貨は銅貨10枚で1枚分だ


「はい、」


「おっちゃん!半月よろしくね!」


「ああ、よろしく」



──────────────────────


ギリギリになりましたが今日に投稿出来ました!

これからも1日1話を心がけて行きたいです

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