第32話 胡蝶の気持ち

まだ宴が続いていておりアラン王子も宴に戻って行った。

私斉藤胡蝶は、アラン王子からの告白を受け、考えがまとまらずぼーっと訓練場近くの池のほとりを散歩していた。


アラン王子は爽やかでいい人そう。

どちらかといえば好感がもてる。


でも私には好きな人いる。

あの人以外の人と付き合って今世で幸せになりたいなんて望んでいない。


私が斉藤胡蝶として生まれてから、今世で魔王さまと再開できる思っていなかった。

けど、この地に召喚され、ここに魔王さまが復活すると聖女の予言があり、魔王さまとの再開できるという希望が生まれた。


もし魔王さまが復活したとして、彼が本当に魔王軍を率いて人族との戦いをするだろうか。

魔王さまは人族との戦いを望んでいない。

私は他の四天王のように知謀や諜報、人を癒す力などない。

私ができるのは戦うことだけ。

戦いを望まない魔王さまのために、私が四天王筆頭としてできることはなんだろう。


もしその時がきて、私が王族の一員になっていたら、戦いを止める助けになるのでは?


そう思うとアラン王子の告白を受けることは魔王さまの助けになるのではないかと思ってしまうのだった。



私が思い悩みながら歩いていると、後ろから声をかけられた。


「斉藤さんこんなところでどうしたの?」


織田くんだった。


「織田くんこそさっき楠田先生背負って走って無かった?」


「いやーあれは楠田先生が酔っ払っちゃって、問題起こさないうちに宿舎に寝かしに行ったんだよ。」


「それは災難ね。」


「斉藤さんこそ、なんかぼうっとしてたけどどうしたの?

なんか悩みでも?」


織田くんは心配そうに見てきた。

ほんとお人よしね。


「なんでもないわ。騒ぐのが少し苦手なだけ。

そうだ

織田くんに質問があるのけどいい?」


そう言って織田くんに質問した。


「例えばの話よ。

もし好きな人はいて、他の人から告白されました。その相手と付き合ったら好きな人の助けになります。貴方ならどうする?」


織田くんは困ったように考えた。


「そうだね。俺なら告白を断るかな。

だって好きな人がもし自分を好きだったらって考えたらそれは裏切りだよ。

それに告白してくれた人に悪いじゃん。」


と真面目に答えてくれた。


「織田くんのクセに生意気ね。

でも、ありがとう少しスッキリしたわ。」


織田くんは困ったように苦笑いしていた。


私は、さらに織田くんに聞いた。


「もう一つだけ質問していい。

そうね。

1 けんかが強い女の子。

2 頭がいい女の子。

3 物静だけど従順な女の子。

4 優しく癒される女の子

この4人の中で誰が好き?」


「ええ? 迷うなぁ。正直選べないよ。

でも実質3択じゃね?

けんかが強い子はないでしょ?」


織田くんは悪びれることもなくそう答えた。


「なんですって?

ほんっと貴方ってデリカシー無いわね。私は戻るわ!」


と言って私は、宴に戻ることにした。


あれ?私ってば何を悩んでいたんだっけ?




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