第25話 兵長の長い一日②
「おらおらどうした?
この先お前たちが行くのは、訓練場みたいにきれいな地面ばかりじゃないぞ!」
とはいうものの、斉藤が医務室送りになった後は、新たな挑戦者は現れ無かった。
不幸中の幸いか見事に鼻っ柱を折った訳だ。
「根性なしども、ほら訓練場20周だ!!」
午前の訓練は終わった。
今日の午後の訓練も、副団長と団員が任務で不在のため、引き続き俺が担当することとなった。
格闘術ならまだまだ負けないが、剣術となると魔法で強化(ズル)することを覚えたガキたちの相手は、ここ最近ちょっと厳しくなってきた。
なので、俺もズルをさせてもらう。
「お前らも剣術の基礎程度は覚えただろう。
そこで今日はバトルロイヤル形式で戦って貰う。
最後に勝ち残った奴は俺が相手をしてやる。」
(せいぜい潰しあってくれっww)
「ルールは簡単だ。相手が降参するまで戦え!それでは模擬剣の用意をして集合しろ!」
事前中に医務室送りになった斉藤はまだ戻ってこない。
肉弾戦なら織田が残ると思うが魔法はからっきしだからなぁ。
ここは体力自慢の斉田が本命で、対向で織田、またはレスリング部の本田ってところか。
大穴で身体操作に長けた式森か小山ってところか。
生徒たちが模擬剣を取りに別れた。
するとクラス委員の小山が声を出した。
「ちょっと女子集まって!」
小山は女子たちを集めると何やら説明しているようだった。
「それでははじめ!」
俺の掛け声で剣術バトルロイヤルが始まったのだが...
女子たちは隊列を組むと、小山が男子の方を指差し
「最初の獲物はー、織田くん!」
と大きな声で指示を出した。
すると後列の女子5人が、前列の女子5人に身体強化の魔法をかける。
そして前列の女子達は一斉に織田を取り囲んでいった。
「えぇぇ?なんで俺?」
混乱している織田を女子たちが取り囲み一斉に襲いかかってボコボコにした。
「参った、、、」
さすがの筋肉バカも地面で伸びていた。
女子たちは次のターゲットを定めると、今度は前列後列を交代させ襲いかかり、瞬く間に男子全員をうちのめした。
魔法を温存して連携プレーで戦うとは、なるほど考えた作戦だ。
「まあいいだろう。俺もチームプレイは禁止にしなかったので勝ちを認めてやろう。
お前らに中で買った奴を俺が相手にしてやろう。」
と俺が言うと小山は言った。
「兵長は、勝ち残った奴を相手にするといいましたが、一人とは言ってませんでした。
今、お前らの勝ちを認めてやろうと言いましたね?」
「おお、お前ら汚いぞ!」
「汚いのはお互い様。バトルロイヤルで消耗させるって作戦でしょうがそうはいきません。
それでは兵長お覚悟を!」
そして女子たちが一斉に襲いかかってきた。
「参った、、、」
そして、式森が言った。
「胡蝶っちを虐めた罰だよ!」
今日は長い一日だった、、、
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読んでくれてありがとうございますー
今後も定期的に書き溜めを排出していこうと思いますが、評価があれば排出ペースをあげたいと思います。
モチベーション維持のためご評価とご意見お待ちしております。
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