第23話 休日の終わり
夕方になり、俺たちは騎士学校宿舎へ向かって歩いていた。
「今日は一日楽しかったわ。
普通先生と生徒がデートしたら大問題だけど、ここでは何も問題ないわね。」
先生の話を聞き俺は吹き出した。
「ククク、先生、気づいてます?
あのジーク兵長と同じこと言ってますよw。」
「一緒にしないで!娼館は禁止よ!
ここでは私は教師じゃありませんから。
一緒に訓練を受けてれば生徒でしょ?」
「そうですね。
じゃあ楠田先輩とお呼びしましょうか?」
「それは阻害感を感じるわ。
なんか留年したみたいじゃない。
名前で良いわね。夕乃って呼んでみて。」
「夕乃さん、なんか照れますね。エヘヘ」
俺が照れる以上に先生は真っ赤だった。
「ちょっと破壊力抜群ね、これは照れるわ。
さすがに名前呼びは他の生徒に示しがつかないわね。どうしましょ」
ゴニョゴニョいって可愛いなぁおい。
「じゃあ、誰もいない時だけ夕乃さんって呼んで良いですか?
あと心の中で。」
「そうね。その辺で妥協しましょ。
織田くん女たらしって言われない?
こんな年上たぶらかそうとして」
夕乃さんからジト目で見られた。
「そんなことないですよ。
実年齢17歳だけど、見た目もっと上でしょ?
(精神年齢1000歳だけど)
だから女性って歳じゃ判断しないんだなぁ。
俺にとってはいくつになっても子供のような?
よくお爺ちゃんが孫を見る目って言われますよ。」
「それはなかなかね。
確かにお年寄りの安心感はあるわね。」
「そうでしょ?」
そうして俺らは騎士学校の門にたどり着いた。
「あー先生たちも今帰り?」
エリちゃんが前に歩く楠田先生と織田くんに話しかけた。
「式森さんと斉藤さんが二人で廻ってたの?」
楠田先生がいうと
「そうです。私たちは劇を見てきました。」
「ほんと?私たちもあの劇見てきたのよ。
魔王役の俳優さん渋かったわね。」
「そうですね。でも胡蝶っちはなんか怒ってました。」
魔王様あんなジジイじゃないし。
私あんな下品じゃないし。
「あらご機嫌斜めね。」
私がむくれていると、織田くんがご機嫌を取るように話しかけてきた。
「でも斉藤さん、勇者役の俳優さんはイケメンだったでしょ?」
「あの女狐!思い出すとムカつく!」
「え?女狐、あー女幹部ね。色っぽかったけどちょっとバカっぽかったよね。
史実だとどうだったんだろ?案外バカっぽかった...」
言わせないよ?
「なんですって?
史実では間違いなくあの女幹部が一番可愛かったとおもいますー
最後まで魔王さまと一緒にいて健気?」
「あら斉藤さん?
それをいうなら勇者も最後まで魔王と一緒でしたでしょ?
魔王を追って飛び込むとかきっと魔王と友達になりたかったんだと思うわ。」
ムキー!
楠田先生までそういう事言って何にも分かってないわ。
今度脚本家に文句言って描き直させてやるわ。
このように俺たちの休日は終わった。
楽しくリフレッシュできたなぁ。若干1名を除いて。
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