第20話 初めての休日①
この世界に来て初めての休みをもらった。
昨日はダン兵長らの誘いがあったがその誘いには乗らなかった(いや乗れなかった?)
あの後、他の生徒からも
「織田ー明日一緒に回ろうぜ!」
とか
「織田くん!私達のボディーガードしてくれない。」
などの沢山の誘いがあったが、酔っ払った楠田先生が、
「いいえ。織田くんは明日はわたしとデートするんです。」
と言って、他の生徒の誘いを勝手に断っていった。
で、今日に至る
今俺の横には頭を抱えた楠田先生が一緒に歩いている。
私は、楠田夕乃 24歳
そう私はクールな見た目から年より少し老けて見られるのが悩みの女。
飛び級でアメリカの大学を卒業後、日本で高校の英語教師をしている。
私の趣味はお酒。週末に一人お酒を飲むのが趣味。
みんな分かってない。お酒は一人味わって飲むもの、酔っ払うために飲むものじゃないわ。
アルコールは日頃の嫌なことなど全て忘れさせてくれる。
週末お酒でやなことはすべて忘れて
また月曜日から頑張るの。
でも私はアルコール依存症ではないわ。
むしろ弱いと言っていい、翌朝は二日酔いで真っ青な顔をしているわ。
その点剣道部の顧問になったのは良いわね。私ほどの達人になれば体調が戻るまでずっと面を付けて顔を隠していられるもの。
昨日私は、人生最大級の失敗をしたらしい。
「さくばんはごきげんでしたね。」
俺は緊張してドラクエなみの言語能力になってしまったらしい。
「忘れて
メンタルケアを相談して副団長に休みをお願いしたのはホントみんなの為よ。
でも私も休みに浮かれてしまってたのは事実ね。
明日が休みかと思うと酔っても大丈ブイ!って考えてしまうのは私のDNAに刻み込まれた本能なの、私は悪くないわ。
…忘れて。」
こんなポンコツな楠田先生を見たのは初めてかもしれない。
「ほんとうに、ごめんなさい。
織田くんの折角の休みなのに友達からの誘いを私が断っちゃって..」
真面目な楠田先生はほんとに反省してるんだろうな。みんなのケアなど誰よりも頑張ってるのに申し訳ないなぁ。
「いやー俺ってラッキーだなぁ。」
俺は演技っぽく言ったけど、これはこれで真実だ。
「美女に誘われてほんとラッキー!
俺だけ3組だからほんとボッチだったんですよ。
みんな気を遣って誘ってくれたけど気まずいじゃないですかぁ?」
「そんなことないわ。みんな織田くんを友達だと思ってるよ。」
「そうですか?特に斉藤さんから冷たい目で見られるし」
「そうかしら?そんなことないと思うけど。
いいわ!折角の休みだから私たちも楽しみましょ!
織田くん男なんだからちゃんとエスコートしてよ。」
「お任せください!」
ハッ ハッ ハックション!!
「誰か私の悪い噂をしているわ。」
「またそれ胡蝶っち。
でも良いの?
楠田先生のこと」
「楠田先生のことって何?」
「うかうかしてると(真桜くんを)ライバル(の楠田先生)に取られちゃうよ!」
「(楠田先生を)ライバル(の織田くん)に取られちゃうですって?
リエちゃん何か勘違いしてない?
ライバルなんじゃないわ私から見たら(織田くんは)モブね。興味はないわ。
それに比べてあの人(楠田先生)は私の入学当時からの憧れなの。」
「胡蝶っち、相変わらず強気ね。
(楠田先生を)相手にならないモブと。
憧れのあの人(真桜くん)は入学当時から好きだったと...
余裕ぶって後悔しても知らないからね。」
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