第2話 魔王隠れる

授業の終わりのチャイムが鳴り、俺はロッカーからバッグを取り出す


「じゃあお先!」


親友の智紀に別れを告げた。


「おーマオーまた明日な!」


俺の名前は織田真桜(おだ まお)

女っぽい名前だが列記とした男だ。

身長は180㎝あるしむしろ筋肉には自信がある。

で、ついたあだ名はマオー。

あだ名じゃなく本名か?


その時俺は、ロッカーがある教室の一番後ろにいた訳だが、突然目の前、教室の後ろの床が赤く輝き出した。

...と思ったら、神殿の魔法陣の中にいた訳だ。



俺は2年3組で、俺以外の魔法陣の中にいたのは皆んな4組の担任楠田夕乃先生と4組の生徒たち。

つまり、4組の中にいる勇者に巻き込まれてここに来てしまった訳だな。


「織田くんはこんな時でも落ち着いてるね。」


不安そうな顔で4組のクラス委員長小山茜さんが話しかけてきた。


「こんな時クラス委員の私がしっかりしないといけないのに...」


高校生がこんな状況でまともでいられる訳がないよね。


「よく俺の名前知ってたね。」


「知らなかった?体格良いし織田くんって女子の中じゃ有名人だよ。」


「それは知らなかったなぁ。部活とかやってないし、女子とか話しかけられたことも無いのに?」


「それこそ知らなかっただよ。誰もアタックしてないんだ。織田くんコワモテだからかなぁ。(こんなところに来てなければ声かければよかったかも...)」


小山さんちょっとだけ落ち着いたかな。


正直俺だけならどうにでも出来る。

が、俺が人間側に召喚されるなんて想定外だ。

俺が魔王だとバレたら、当然この国の総力をあげて◯しにくるだろう。

じゃあ魔王の力で返り討ちにするか?同級生を巻き込んで?

良心が耐えられないので却下。

魔王と隠して魔王軍を全滅させちゃうか?

いや100年くらいじゃまだ俺の部下だった幹部が生きてるだろ?

奴らは意外と良いやつだから却下。

...詰んでね?


目立たないように、バレないように。

しばらく様子を見て、今後のことは考えよう。


神殿長は今の現状や今後のことなど説明を続けていた。


「皆を元の世界に帰す方法はまだない。だが、全てが終わったら国の魔法師の総力をあげて研究することを約束しよう。召喚する方法があるのなら帰す方法も必ずあるはずだ。」


神殿長は、誠実な人だから帰還方法の研究をするというのは嘘ではないだろう。

全てが終わった時に俺がみんなと一緒にいるのだろうか?


クラスの皆んなが打ちひしがれている中で、俺の他にも一人青い顔をしている奴がいるぞ?

あれは、4組一の美少女と名高い

斉藤胡蝶さん?



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