350_プレス機

じっくりとつぶされるのは嫌だけど

一瞬でつぶされるのなら


ひとたまりない

抗うことすらままならない

いつのまにかに終わってしまう

そのくらいの力で

つぶされたい


抱えている不安だとか

羨ましいだとか

愛おしいだとか

憎たらしいだとか

人を不幸にするそんなものに染まってしまった

身体も心も細胞一つ一つまでつぶしてほしい

中の水分までつぶしてほしい

可能なら分子やら原子までも


そのくらいつぶされたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

散文集(326~350) ごこちゃん @goc0_c

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ