第3話 D組緑団!!優勝に向けて!!

朝に教室に来ると、私ノートが置かれていた。

華夜は開けてみると、担任大輔からコメントがあった。

"なんかそういうの嬉しいな!!すごい感動です。みんなで頑張ろう!! 学級通信でみんなに知ってもらおうと、華夜ありがとう!!"

と書かれていた。


ーー学級通信で載せるって、恥ずかしいな…


華夜はふふっと笑った。


◇◇◇◇


終礼になり、学級通信を見つめた。


ーー本当に、そのまま書いてる


華夜は照れたように笑った。


◇◇◇◇


体育祭まで日にちが近くなる。

なんだか、不思議だ。

みんな同じ優勝の目標に向かって行っている。

学生の青春でしか出来ない事だろう。

華夜は嬉しく笑いつつ、夕焼けを見つめていた。

『詩乃ちゃん〜アンカー頑張って!!』『ありがとう!!心ちゃん』『北高ってクラスTシャツあって神過ぎない?』『それな!!』


ーー北高って、あの?


華夜は前から来る北高の2人の女子を見つめた。1人は、スーパーロングで毛先が赤く、制服が着崩している。もう1人は、ショートで髪が明るめの茶色だった。


ーー流石…北高


華夜は2人を見つめると苦笑した。そして通り過ぎた時「ねぇ」と声をかけられ、華夜はビクッとし、振り向いた。北高女子二人は華夜を見つめていた。「これ、落としたよ。」毛先が赤い女子は華夜がいつの間にか落としたハンカチを拾ってくれた。華夜は震える手で「あ、ありが...」と消え入った声でお礼を言い、ハンカチを受け取った。


◇◇◇◇


『知ってる?北高って高2で足速い女子がいるんだって』『陸上部?』『帰宅部だって。なんか、毛先めっちゃ赤くて流石北高って感じの服装の子だけど、めっちゃ速いって北高に行ってる友達に聞いた』『北高に友達いるってすごいな…』とそんな会話が耳に聞こえ、華夜は昨日の北高女子を思い出した。

まさか、自分より年下とは思わなかった。


ーー足遅い私とは正反対な子だな。


華夜は苦笑した。


◇◇◇◇


「さて、大縄練習しますか」担任大輔の合図に縄を持った。

「よし、数えるよ。前は70回とかだから、とりあえず80は目指したら目指そう。でも確実に跳ぼう」と声を上げ「よーいスタート」と聞こえると縄が回り、どんどん跳んで行った。


ーー大丈夫かな...


華夜は震える手を抑えた。すると「私がタイミングで押すから大丈夫!!」と後ろの女子、中山 杏奈なかやま あんなが華夜の肩に手を置いた。

華夜は少し微笑み「ありがとう」と言った。

そして、自分の出番になると杏奈がタイミング良く背中を押した。そして、なんとか跳べると、クラス全員が拍手をしてくれた。

この時、華夜は『暖かい人達に囲まれて良かった』と思うようになった。

「華夜ちゃん、跳べできてるよ!!」近くで女子が褒めてくれ、振り向くと黒髪ロングの女子が明るく微笑んでいた。

彼女は、大山 愛久 おおやま めぐだ。

「ありがとう。自信ついてきたよ」華夜は少し笑った。

しばらくし、時間切れになり担任大輔が目を丸くした。

「83回!!」と担任大輔が叫んだ途端、クラス全員歓声に溢れた。






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青春を走って!! 関ケ原 しらす @sirasu915

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