第10話 9日目、10日目 マイク・ベッケンバウアー君

 

 9日目。


 もう俺達は、完全に血の繋がった姉弟妹といった感じで過ごしている。

 優しいお姉ちゃんと、可愛い妹を持てて嬉しいな!といった感じ。


 ここまで来ると、俺の白バナナも反応しなくなってくる。まあ、どうやら今世の俺って、真性包茎だったらしく、勃起して苦しまなくて良くなって、助かったのだけど。


『タカシお兄ちゃん! 今日の保険体育の時間で、泡踊りっていう体を使って男の人を洗う方法を教えて貰ったんだけど、タカシお兄ちゃんで、練習させて貰っていいかな?』


 イキナリ、妹ちゃんが、とんでもない事を言ってきた。


「それはちょっと……」


 俺は流石に、戸惑ってしまう。

 というか、ヤヌー国の学校は、生徒にいったどんな事を教えてるんだよ。


 妹ちゃんは、練習とか言ってる時点で、全くエロい事とは思ってないみたいだし、まあ、練習だから、やって貰ってもいいのかな?


「マリー! ダメだよ!保険体育の先生も、泡踊りは、帽子かぶった男の子にはやってはダメ!って、キツく言われてるでしょ!

 帽子かぶった男の子に、泡踊りをやっちゃうと、本当にとんでもない事になっちゃうんだから!」


 エリーが、お姉ちゃんぶって、妹ちゃんに注意する。


「どうなっちゃうの?」


「バナナから血が吹き出し、男の子がエンエン泣いて、自信を無くしちゃうの!

 だから、帽子が被ってる男の子には、徐々に、時間をかけて剥くようにと、保険体育の先生も言ってたでしょ!」


「そっか! だから、エリーお姉ちゃん、タカシお兄ちゃんに、保険体育で教えて貰った技を、全然使ってなかったんだね!」


 なんか妹ちゃんが、恐ろしい事を言ってる。

 本当に、ヤヌー国の保険体育の授業は、どこまでの事を教えているのだろう。


 とても、やってもらいたい気もするが、エリーは、俺の白バナナが帽子かぶってるのに遠慮して、今まで手を出してこなかったという事が解ってしまった。


『クッ! 男として情けないぜ……』


「じゃあ、タカシお兄ちゃんの白バナナは、いつ食べ頃になるの?」


 何、その質問……ヤヌーの女の子の日常会話?


「それは……」


 なんなの、その間は……今の間で、相当、俺の自尊心を傷つけられちゃったのだけど。

 兎に角、エリーがとても優しい女の子という事だけは分かった。

 俺に気遣いが出来る、優しい女の子なのだ。


 本来のヤヌーの性格は、日本に生息してる金髪黒ギャルと同じようだと思われるし、性に対しても同じように開放的。


 エリーは、相当我慢してて、欲求不満になってる筈なのだ。

 俺の白バナナが、帽子をかぶってるせいで……


 本当は、見た目と同じく、エロエロで激しいのが大好きな筈なのに……


 それなのに、エリーは自制して、俺を待っててくれてたのである。

 俺の白バナナが、熟して皮が捲れてくるのを。

 俺の白バナナは、青でもなく、まだ白色なのだ。

 白から青に変わり、黄色になって、そして茶色に変わり、真っ黒になるのである。


 白や青の、まだ熟してないバナナの皮を無理に剥こうとしても、上手く剥けるものじゃない。

 毎日、適度の刺激を与え、徐々に皮を伸ばしていき、そしてペロリンと捲れた所で、エリーは、その保険体育の時に習ったという凄技で、俺を楽しませてくれるのであろう。


 そんな妄想をしつつ、俺の運命を変える、異世界に来て10日目に突入する。


 ーーー


 10日目。


 その日は、学校に行くと、新たな新入生が紹介された。

 普通、ヤヌーの学校の新入生がやって来るのは月曜日と決まってるのに。


 まあ、聖アビス山の割れ目に16歳になったヤヌーが旅立つのは、日曜日と決まってるので、それに合わせて、13歳になったヤヌーも、月曜日に高等部に入学する流れになっているのである。

 居なくなったヤヌーを補充する感じ?まあ、月曜日には席も空くのでスムーズに入学出来るという事だろう。


 因みに、高等部は、13歳から16歳のヤヌーが、一緒くたのクラスで過ごしていて、3クラス有ったりする。

 俺と、エリーと、妹ちゃんは同じクラス。


 でもって、


「こちらは、タカシ君と同じ、フローレンス帝国からの留学生で、マイク・ベッケンベウアー君です!」


 銀の首輪を付けたサルーの先生がマイク・ベッケンベウアー君を紹介してくれた。

 というか、俺って、マイク・ベッケンベウアー君と同じ、フローレンス帝国って所からの、留学生だったの?!


 なんか、今更ながら新事実。

 知ってたから、先生は、俺が授業を受けてても、何事もないように、普通に接していたのか……


「エッ! タカシも、フローレンス帝国って所から来たのかよ!」


 やはり知らないかったのか、もう親友になっているタイガー君がビックリしてる。

 実際は、俺の方がビックリしてるのだけど。


「フン! 俺は、フローレンス帝国で、ベッケンベウアー領を任されてる由緒正しき貴族、ベッケンベウアー公爵の長男、マイク・ベッケンベウアーだ!

 貴様ら、ヤヌーに慈悲を与えに来たボランティアだ!

 俺が気に入った者には、ヤヌーの外の世界に連れてってやる! せいぜい、俺を楽しませろ!」


 なんか、マイク君はいけ好かない奴だ。

 貴族だからって、偉そうだし。

 まあ、だがしかし、ヤヌー国の外にも国がある事が分かった。


 俺が、この国に居た時点で分かってた事だけど。


 しかしながら、全く謎だった俺の生まれ故郷が分かっただけでも良しとしよう。

 というか、先生、知ってたなら教えてくれよ!

 まあ、先生は、俺が記憶を無くしてた事を知らないので、しょうがないんだけど。


 先生的には、俺が既にクラスに馴染んでたようだったので、自己紹介のくだりを省略してしまったに違いない。


 だって、俺って、学校に入学する前から、エリーの家に泊まって、ホームルーム前には、エリーにクラスメイトを紹介されて仲良くなってたから。


 そりゃあ、先生も自己紹介のくだり、省略するか。


 ーーー


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