第5話 3日目、4日目

 

 3日目。


 今日もエリーと手を繋いで学校へ。

 なんか、大好きになり過ぎて、手を繋ぐと、常時テントがビンビンに張るようになってしまったが、気にしない。

 だって、誰からも指摘されないし、結構、俺みたいな奴も居るし。


 俺の肩の糸くず取ってくれたタイガー君も、彼女と手を繋いで学校来てて、俺と同じようにテント張ってるし。


 それにしても、本当に、この国は性教育が進んでいる。普通に付き合ってる人達も多いし、付き合うと必ず手を繋いで学校に来るし。

 しかも、付き合うと同棲して、一緒にお風呂に入るのも普通で、体の洗いっこするのも普通なんだとか。


 だけれども、聞いた話だと、ヤヌー同士では、絶対に一線は越えてはいけないらしい。


 種族的に、遺伝子レベルが近過ぎて、エッチな事をして子供が出来ちゃうと奇形児が生まれるやら、なんとか言ってて、ヤヌー同士では絶対に、子供ができるようなエッチな事はしないらしい。


 どんだけこの世界の住人は、お預けを食らってるのであろう。


 それから、友人になったタイガー君の話によると、俺の場合は、金髪碧眼黒ギャルの誰とでも、子供ができるエッチな事をしても良いのだとか。


 血が近くないので、奇形児が生まれる心配も無いし、この国では、他国の男とエッチするのは推奨されてるらしい。


「本当に、お前は羨ましいよな!」


 タイガー君に、爽やかな顔をして言われてしまった。

 やはり、本物のサーファーなので爽やかなのか?

 どうやら、タイガー君は丘サーファーではなかったようだ。


 そんなしょうもない妄想は置いといて、兎に角、ヤヌー同士でエッチな事をして、間違いが起こらないように、しっかり性教育が行き届いているみたい。


 なんかよく分からないけど、アビス山信仰だったっけ、アビス山の割れ目から子供が生まれて、大人になるとアビス山の割れ目に帰って行くという話。


 この話は、子供時代はこのヤヌーの国で、性教育を学び、近親者同士で子作りしない事を骨の髄まで分からせて、大人になったら、ヤヌー国じゃない他の国で伴侶を見つけて、子作りしなさいという教えを、子供達に解り易く、この国の宗教であるアビス信仰と掛け合わせて教えてるのかもしれない。


 兎に角、このヤヌー族という、金髪碧眼黒ギャルの一族の血は、物凄く濃く、多種族とエッチな事しても、強烈優性遺伝により、金髪碧眼黒ギャルしか生まれないのだろう。


 何故解るのかって? 俺には、地球の知識があるからね。

 この世界の人達に、メンデルの遺伝の話をしても理解できないと思うし、兎に角、俺は、一人で納得したのだ。


 まあ、そういう事なら、この学校で俺のライバルなどいない。

 男女で付き合ってる奴らは多いが、絶対に一線を越えれないので、奴らがやってるのは疑似恋愛。しかも、全員、童貞処女で、チェリーボーイの俺となんら変わらないのだ。


 見た目は、黒ギャルと、ナンパそうなサーファーだけど。


 だがしかし、俺だけは、最後の一線まで越えられハイブリッドヤヌーなのだ!


 絶対、誰もが俺とヤリたいに違いない。

 だって、アレだけこの国は性教育に力を入れてるのだよ。

 知識だけは、たくさんあるのに、みんなずっとお預け状態を食らってるのだ。


 だから男子は、やたらとテントを張ってる奴が多いし、それを咎める奴も居ないのだ。

 まあ、全てのヤヌーが欲求不満だからしょうがないよね。


 しかも、男子も女子もエロい格好してるから、尚悪い。

 本当に、何かの罰ゲームかよと思うレベル。


 女子は、下着のような格好してるし、男子は、カッターシャツの3つ目のボタンまで開けて色気ムンムン出してるし。


 多分だが、俺の考察では、ヤヌーという種族は、絶対に別種族と子作りしないといけない特性上、どんな種族に対してもモテないといけないので、こんなにも性教育に力を入れているのだろう。

 日頃からヤヌーに、エロい格好させてるのは、国家を上げてエロい格好に慣れさしてると思われる。他種族を誘惑する為にね。


 まあ、あくまで、俺の推測だけど。


 そして、この現在、置かれている状況こそが、俺に与えられた異世界転生特典なのだろう。


 俺だけモテて、自分好みの金髪碧眼黒ギャルと、エッチな事を出来るって、最高かよ!


 ーーー


 4日目。


 今日は、体育の授業がある。

 体育の授業は、男女合同。


 なんかアスレチック施設みたいな所で、飛んだり跳ねたり、登ったりするみたい。

 若い男女がハァハァ言って、とてもエロい。

 そもそもがエロい格好してるので、ポロリがあったり、たまにいけない所がハミ出しちゃって見えちゃたりするので、昭和のアイドル運動会みたいな様相。


 多分、これも他種族からモテる為の試みなのだろう。

 やっぱり、健康的な肉体って、みんな好きだからね。


 ヤヌーって、基本、太ってる人居ないんだよね。男はみんな細マッチョで、女の子はみんなスタイル良くて、お腹とか引き締まってて、出てる所は出てるような。

 本当に、理想的なプロポーション。


 これは適度な運動と、規則正しい食生活の賜物なのである。


 そして、何故、いつも決まった時間に、バランスの良い食事がBOXの中から現れるのかが分かった。


 全ては、完璧なプロポーションを保つ為。


 ヤヌーって、全員16歳以下の子供だから、子供に自由な食事などさせちゃったら、そりゃあ、大変になるもんね。

 俺だったら、毎日、ポテチとコーラばかり食べたり飲んじゃうし。

 実際、高校中退したてのニート時代は、そんな生活してたし。


 本当に、ここでの生活は健康的。しかも健全なエロもあるし。いたせりつくせり。

 肥満児になってしまって、非モテニートになる心配もない。


 兎に角、ビールを箱買いして、一気飲みして死んでしまった俺としては、このように健康的でラッキースケベがある生活が、本当に理想的に思えたのだ……

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