第4話 保険体育
ヤヌーの学校は、物凄く楽しい。
金髪黒ギャル達は、見た目と違い優しいし。
俺が白い人だからと差別しない。
俺って、転校生みたいなもんだから虐められる可能性もあったと思うのだが、そんな事、全然無かった。
でもって、俺が女子達に、キャキャされてるのが気に食わなかったのか、廊下でスレ違いざまに、金髪こんがりサーファーに、
「オイ! お前!」
と、呼び止められたのだ。
俺は、もう、ドキッ!として、絶対にカツアゲされると思ってたのに、
「お前、肩に糸くずが付いてるぞ!」
と、肩に付いていた糸くずを取ってくれたのだ。本当に見た目と違う。
金髪で、無駄に日焼けした悪そうな見た目の人達が仲良くしてくれて、なんか自分まで強くなったと勘違いしてしまう。
学生時代は、そんな悪そうな人達とは、極力関わり合いにならないように生きてきたのに、なんか自分がイケてるグループに入れたみたいでテンションが上がってしまう。
まあ、そんなこんなで、楽しい学校生活を楽しみ、俺は再び、エリーに手を繋がれてエリーの家に帰るのだ。
もう、本当に、この世界が何が何だか分からない。
だって、年頃の一人暮らしのお姉さんの家に、普通に泊めてくれるんだよ。意味分かんないよね。
家に帰ったら、まず、お風呂。
ヤヌーは、お風呂が大好きな種族で、毎日、体の隅々まで綺麗に洗う事が、宗教的に義務付けられてるとか。
本当に、体の隅々。特に大事な所は丁寧に洗う。なんで、分かるかって?
そりゃあ、エリーと一緒にお風呂に入ったから。
ヤヌーは、混浴が一般的で、男と女が一緒にお風呂に入るのは普通の事なのだとか。
やはり、金髪黒ギャルの国は進んでる。
しかも、誰かと一緒にお風呂に入る時は、洗いっこするのが常識で、しかも大事な所は特に丁寧で洗わなければならないという教えがあるらしく、俺は丁寧に隅々まで洗われてしまったのだ。
本当に、この世界天国かよ。
そして、夕食は、なんか箱みたいなものが置いてあって、毎日、食事が出てくるのだ。
開けてみると、ちゃんと2人分の夕食が入ってて、俺の分も用意されてた。
本当に、どういう仕組み?異次元BOX?誰かが、俺とエリーが一緒に住んでる事、分かってて用意してくれてるのか?
本当に、意味わからない。
建物とか、みんな石造りでヨーロッパの中世的な感じがするのだけど、風呂から勝手にお湯が出てきたり、トイレは水洗だったり、それから食事が出てくる異次元BOX?
もしかしたら、この金髪黒ギャルの国は、魔法や魔道具が発達した世界なのかもしれない。
まだ、誰も、魔法を使ってるとこ、見た事ないけど。
まあ、異次元BOXから出て来た食事は温かく、普通にパンとスープとオカズ2品。不味くもなく、美味くもない感じ。
全く不自由してないので、魔法使えなくても別に良いのだけど。自分でご飯作らなくていいのは楽だしね。
そして、暗くなったら就寝。
お互い素っ裸で寝てるので、エリーを襲いたい願望に襲われるのだが、エリーは無警戒にスヤスヤ眠るもんだから、俺も簡単には手を出せない。
だって、この国って、俺の生まれた国ではなさそうだし、下手に襲って騒がれたり、拒否されてしまったら、エリーの部屋に住めなくなっちゃうし、通報されて警察か何かに捕まっちゃうかもしれない。
ここは、我慢我慢。
まあ、金髪黒ギャルに体を隅々まで洗って貰えるのは天国だし、一緒に裸で寝られるの嬉しいし。お預け状態も、なんだか興奮する。
ーーー
2日目。
次の日も、昨日と同じように1日が始まる。
昨日は、朝食を食べそこなったが、BOXの中身には、ちゃんと俺の食事も用意されてた。
朝食の内容は、パンとミルクとサラダ。まあ、シンプルな食事である。
そして、昨日と同じようにエリーに手を繋がれて学校に行くのだ。
まあ、手を繋がれなくても、もう学校の場所を知ってるから大丈夫なんだけど、女の子の方から手を握ってくるので、わざわざ手を払い除けるバカな事はしない。
基本、ずっとズボンがテント張ってる状態だけど、この国の人達は、どうやら男子がテント張ってても気にしないと気付いたので、そのまま、ほっとく事にしたのだ。
本当に、文化が違うと、価値観が違う事を学んだ。
この国では、男子がズボンのテントを張ってる事はなんら恥ずかしい事ではないのである。
昨日も、エリーに洗ってもらった時もテント張ってたし、エリーも気にせず洗ってくれてたしね。
「よっ! タカシおはよう!」
こんがりサーファー達も、俺を見ると挨拶してくる。なんか本当に嬉しくなってくる。
俺も学校2日目にして、クラスの一員になれたみたいだ。
そして、学校2日目には、楽しい授業もあった。
それは、保険体育の授業。
男女は別々の教室に別れて授業を受けるみたい。
授業の内容は、想像以上に濃い。
まず、男子は女子にやさしく接しないといけないと口酸っぱく言われる。
そして、女子が拒んだら、男子は絶対に何もしてもいけないのだとか。
本当に、良かった。勝手にエリーに手を出さないで。
それから、女子が喜ぶ愛撫の仕方やら、前撫の仕方やらを丁寧に教えてくれる。
なんか、日本の保険体育の授業より、実践的。
舌の使い方やら、手による色んな所のマッサージの仕方。Gスポットの位置やら、本当に事細かく。
こんなに事細かく教えてもらったら、思わずエリーに試してみたくなっちゃうぐらい。
だけれども、男子は女子に拒否られたら、ヤッてはいけないと、口酸っぱく言われたので、ヤレないんだけどね。
徐々に、エリーの信頼を勝ち取って、近い将来は、絶対にヤラして貰うのだ。
俺の新たな異世界での目標が定まった。
ん?不健全?
だって、俺って、どうやらエリーの事が大好きになっちゃったみたいだし、好きな女の子とヤリたくなっちゃうのは、逆に、健全な男子の証拠だよね?
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